私達の勉強会

2019-05-12

4月7日8日に行われたアジア太平洋地域中医薬サミットに参加しました

中医学の学会のようなもので生殖医学・皮膚科・鍼灸の分野で論文を出している先生方の講演を同時通訳で聞く事ができました

7日午前は選択制だったので、画像も参考になる皮膚科を選択しました
午前中3時間で10人の教授や医師の発表があり、それぞれは数十分でした

祛邪法による蕁麻疹の治療  黒竜江省中医薬付属第一病院皮膚科 教授
病邪を体外に出す通路 汗法・瀉下法・淡さん利湿について各論

女性の痤瘡における中医周期療法変化のアプローチ 広東省中医病院 教授
女性の月経周期と痤瘡(にきび)について研究
月経周期に合わせて方剤選択
女性の痤瘡は肝・腎との関係が密接
治療原則:滋補腎陰・疏肝清熱・調理衝任・周期治療

日本の漢方薬局における皮膚病中成薬応用の心得 日本中医薬研究会・イスクラ産業講師
薬局における皮膚病相談の特徴・弁証・方剤の組み合わせ・症例

合局針法と湿疹の治療  オーストラリア中医薬針灸学会連合会

乳幼児アトピー性皮膚炎における小児推掌の応用 広東省中医病院 主任医師
乳幼児湿疹における病因病機
小児推掌・手技の分類(清熱・補益・袪風) 推掌処方(手技の組み合わせ)

難治性創傷潰瘍への中医学的アプローチ  上中医薬大学付属岳陽病院 主任医師
糖尿病における慢性皮膚潰瘍 特徴・外用剤の応用

強皮症における中医学外用治療法  陜西省中医病院 主任医師
発症と治療の現状・中医学的認識・外治法

帯状疱疹疼痛に対する劉老中医の治療経験 雲南省中医病院 教授
帯状疱疹の臨床所見・中医学治療・求因(水泡:湿と熱・痛み:寒熱虚実・部位は上中下)
弁証論治 湿、熱、気血、虚、寒、瘀
初期:湿熱・火毒⇒ 気血の凝滞
後期:正気の虚弱

午後の部は日本中医薬研究会の全国大会とタイアップしました

特別講演
『新時代における中医薬の役割―「補腎活血」の応用を中心に 』
国医大師 天津市中医薬研究院 教授 張大寧
中医薬の使命
腎虚血瘀論と補腎活血法
補腎活血法の応用 治療・予防・養生

『胚移植反復着床障害に対する中医学の治方策』   山東中医薬大学 教授 連方
反復胚移植失敗の原因
配偶子と受精卵の質・子宮と卵管素因・免疫素因・神経素因
女性側、男性側に分けて考察

『アトピー性皮膚炎の中医学診療および研究』   広東省中医病院 教授 陳達燦
アトピー性皮膚炎の概説・関連問題・中医学的認識・実践と考察・中医学治療

瘀血と活血化瘀の意義と臨床応用     東京有明医療大学 教授 川島 朗

婦人科における活血化瘀の応用について    南京中医薬大学 教授 談勇

解明が進む活血化瘀薬―丹参製剤を中心に
富山大学大学院工学研究部 特別研究員 横沢 隆子

8日
尋常性乾癬における”血分論治”―中医学理論へのアプローチ
上海中医薬大学付属岳陽病院 教授 李斌

背部経穴刺絡抜缶法を用いての白斑病の治療経験 黒竜江中医薬大学 教授 王遠紅

鍼薬併用による子宮内膜症の治療 上海中医薬大学付属岳陽病院 副主任 張春雁

清熱解毒法による子宮内膜癌への治療のエビデンス研究
北京中医薬大学付属東直門病院 准教授 包暁霞

肝腎理論に基づく不妊症の弁証と治療     黒竜江中医薬大学 教授 韓延華
中医学は漢方薬・鍼灸・按摩のような施術なども研究されている事がわかり勉強になりました。

2019-03-31

3月の講義は戦冬雲先生による『中国の最新情報から学ぶ中成薬の応用』でした。

逍遥顆粒・衛益顆粒・麦味参顆粒・阿膠の使われている婦宝当帰膠を中心に話をききました。

逍遥顆粒…春は肝の季節です。(五行学説)
『肝は血を主る・肝は疏泄を主る』ですから血や気血の流れのコントロールは肝と関係しています。
先生の飲んでいる中国の逍遥散の丸剤を見せて頂きましたが、お店に来る中国のお客様も逍遥散の丸剤を持っていて見せてもらった事があります。
中国では女性なら誰しも使った事があるポピュラーな漢方薬といえるのかもしれません。

逍遥散は肝の2つの機能を補うとともに相克関係にある脾をバックアップする組み合わせになっているからだと思います。

逍遥散の内容を紹介します。
柴胡…主薬…肝気の流れをよくする  助ける 薄荷(涼散)・煨生姜(辛散)
当帰・白芍…陰血を補充
白朮・茯苓・甘草…脾の運化機能をバックアップし気血の生成を補助する
(「肝は脾を克する」関係だから助けてあげないとね)

因みに加味逍遥散は逍遥散 プラス 牡丹皮・山梔子
だから逍遥散使うような症状が化熱してイライラ・怒りっぽい・顔面紅潮・口乾などか現れた時に!

五行と五臓の関係で考えると肝は木
春に木はのびのび枝をのばしたい。それは肝の同じ。だからゆったりのびのびの気持ちになれない時は逍遥散が助けになります。

私も好きな方剤で、女性のみならずストレスがかかりやすい男性にも使って頂いています。

逍遥散と同じように疏肝・補血・健脾の3つの働きがある方剤に抑肝散があります。
違いは肝木の主気である風を消せる事です。
肝血不足で肝の疏泄機能の失調により内風が吹くと身体がそよいだり、ゆれたりします。
痙攣・ひきつけ・ふらつき・ふるえなどはそのせいです。

衛益顆粒…春は寒暖差と花粉のせいで衛気は大活躍!

衛益顆粒はその名の通り衛気を益す漢方薬です。
衛気は身体の防衛隊です。鼻やのどの粘膜に集まって防衛したり、全身を巡って身体を温め毛穴を開閉して冷えから守り、急な温かさで汗とともに気血が出て行ってしまうのを防いでいます。
花粉症の人も寒暖差アレルギーの人も、衛気虚です。
もともと衛気虚なのか?なんらかの理由で衛気虚になったのか?
とにかく衛気をしっかりさせ防衛力をつけていきましょう。
その為の衛益顆粒です。

前年成都中医薬大学 耳鼻科研修の際 衛気不足の人の処方中には30gもの黄耆が入っていました。
黄耆は薬用人参と同じ補気薬ですが、人参のように飲んですぐに活力が出たと感じるものではありません。でも、服用していくと防衛力だったり・傷の修復力だったり、疲れやすさや浮腫みがとれたりと確実に身体に力がついていくと感じています。

婦宝当帰膠…春は肝・肝は血

婦宝当帰膠は当帰が6割近くしめる当帰のシロップですが、この中に阿膠も入っています。
阿膠はロバの皮から抽出したコラーゲンです。
古くから女性に愛され楊貴妃は阿膠を飲んでいたから肌のきめが細かく弾力があったとか、西太后も飲んでいたから70過ぎても少女のような肌で艶のある豊かな黒髪だったとかいわれています。

心配な事にその阿膠が近年高騰しているそうです。

女性は血が不足しやすく気は余りやすいというそうですが、婦宝当帰膠は女性の身体にはとても良い漢方薬です。

月経不順・冷え症・妊娠を希望する方・産前産後に服用して身体を整えましょう。

2019-03-04

2月の勉強会は仝選甫先生の「眼科疾患について」の講義でした

仝先生は昨年成都中医薬大学病院の耳鼻科研修の際、引率してくださった先生で、中医五官病の専門の先生です
五官とは目、鼻、耳、唇、舌を指し、それぞれ五臓の官です。
今回は昨年、発売になった星火睛明丹について使われている中薬の説明と先生の眼科疾患の症例についてでした

眼科で使われる石決明の入った製品が待たれていましたがやっと発売されました

睛明丹の成分

石決明

平肝熄風薬に分類されています
平肝熄風とは肝は血と関係が深く肝の陰血の不足により肝陽が抑制できず陽気が浮上するのを抑え、陽気の浮上により肝の主気である風が起きる(内風)のも抑えるという意味です
つまり身体(肝)の弱りによって頭部などの上部に腫れや痛みや赤くなるなどの熱の症状が出て、内風の為めまいやふるえなどがでるなどに使うという事です
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中薬学では以下のように書いてあります
肝火を清する とともに肝陰を補い、重鎮で潜陽する
肝陽上亢の驚風抽搐・目赤翳障・青盲雀目(緑内障)などに適する
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肝陽上亢の症状があれば使うと良いです。
肝陽上亢なら目の病気になりやすいともいえます
まず肝陽を鎮め・肝陰を補う事です

白僵蚕

これも平肝熄風薬に分類される中薬です。熄風解痙の働きがあるとされ中医では顔面神経麻痺の時使ったりします。
足厥陰肝経を突き貫くように巡り・・・と書いてある所をみると経絡の気血の流れを通す働きが強いようです。化痰散結となっているのはそういう所からも来ているのかもしれないと感じます。
散結は固まりを散らすイメージでしこりにつかいます。
また、風泄熱となっているので風熱型のアレルギー症状に使えます。
*石決明と白僵蚕の組み合わせで、身体の内側からくる目のかすみや濁りにも風邪(ふうじゃ)による結膜炎などにも使用できるようです。

決明子

軽楊の気を受けて、昇降できると中薬学に書いてあります。肝胆鬱熱・風熱外襲による頭痛目赤にも肝腎陰虚による目暗不明にも使用でき『眼科の常用薬物』と称されるそうです。
これは、細菌やウイルスや花粉症など外的因子・環境因子による目の充血に使える他 高血圧など身体の内側に原因がある充血や視力減退にもどちらも使えるという意味です。
ただし潤腸通便の作用もあるので軟便気味の人や下痢しやすい人には使えません。

酒黄精

脾気・脾陰を補い、肺を潤し腎精も益します。
酒で炒ると薬力を上部にもっていくとされています。

その他ルテイン・ゼアキサンチン・アサタキサンチンなども入っています。

目の病気と漢方

緑内障

視神経が障害され視野が狭くなる病気です。
①眼圧が高くなることで視神経が障害される
②正常眼圧なのに視神経が障害される

眼圧は房水という眼球を満たしている液体の産生と排出のバランスによって一定に保たれています。
房水の排出が停滞してうまくいかなかったり、排出口が塞がったりして眼圧が上がります。
手術が必要な場合もあります。
正常眼圧緑内障の場合は眼圧に対して視神経が弱いからと考えられているようです。
ちょうど中医学でいう扶正祛邪の関係のようです。
こちらは特に日本人には多いそうです。

中医学では房水に対するアプローチとともに弱い部分をバックアップするように考えます。
*活血通絡・利水・補腎養肝明目です

加齢黄斑変性症

黄斑部は物の形や大きさ 色 明暗などを見るのに大切な部分です。
加齢によりそこに新生血管が出来たりそこの毛細血管が委縮したりする病気です。

中医学ではその現象を脾虚湿困・痰瘀互結・肝腎不足・陰虚火旺などと考え健脾利湿・活血通絡・養肝明目などの方法をります。
*新生血管ができるのも血管の萎縮も瘀血を考えると思いますが、新生血管は切れやすく出血すると見えない事につながります。

*9月に中医眼科の来日するのでその先生の治療についての話がありました。
糖尿病網膜症に対して 補虚活瘀、通絡明目・・・これは先生の臨床経験からの事だそうです。

目はとても大切です。
杞菊地黄丸などの漢方薬や睛明丹・枸杞の実・決明子(炮じハブ茶)などをのんだり目に良い事をやっていきましょう。

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