私達の勉強会

2019-12-31

令和元年12月 中医学勉強会

常見病{癌の予防とケア・・・中医学的考え方} 中医学講師 高橋楊子先生 (証の診方・治し方)など著書多数)

日本において2人に1人は癌になるといわれているそうですが、よくなる事も多くなっているそうです
不治の病というイメージから癌を患いつつも伴に生きていく時代になってきているのかもしれません

お店にも10年前に癌をしましたとか中には30年前に癌を患いましたなどとおっしゃる方がいらっしゃいます

癌とは「遺伝子変異によって細胞が無制限に増殖し続け、元の臓器を離れても増殖続けることができるものを指す」「また隣接の組織へ浸潤し、血液やリンパの流れに乗って遠隔転移して、他の正常組織から栄養を奪って命を脅かす悪性なものである」

遺伝子の変異の原因になるものは以下のようです
1、ウイルスや細菌の感染
2、タバコ・暴飲暴食・焦げたもの・カビの生えたもの・熱すぎるもの・塩漬け
3、慢性疲労・精神的ストレスの蓄積
4、放射線・紫外線など過度の浴びる
5、過労
6、老化

*この事から考えると身体全体の弱り(過労・老化・慢性疲労)などは免疫機能や組織や細胞の力を弱らせる事と関係しますし、ウイルスやたばこ・熱すぎる等は細胞を傷つけることに関係すると思います

中医学は癌を邪気と考え正気を整えることで邪気に勝つ身体づくりを一番に考えます

正気が弱るとは気血両虚・臓腑の虚損・陰陽不和などです
正気を扶助します

邪気は癌毒ともいわれ、性質か熱毒・寒毒・痰湿・瘀血・気滞などがあります
祛邪(邪気を取り除くこと)をします

昔から『邪の集まる所、その気か必ず虚す』
『正気が内にあれば、邪が入りこめない』
などといわれます

よく「冷えは癌になりやすいとききますがそうですか?」などとお客様に質問されることがありますが、冷えも熱もどちらもよくありません

弁証論治として気血両虚に癌毒・気陰両虚に癌毒・陽虚に癌毒
に対する症状と治療の方法や使う方剤などについて

術後の中医学ケア
1、胃がん
ダンピング症候群に注意・・・脾胃が虚損して運化が失調している・・・益気扶正
2、肺がん
呼吸障害など・・・肺気の虚損・肺陰の虚損を考慮
3、大腸がん
消化吸収障害・・・気血の虚損・運化失調
4、肝臓がん
胸脇部の脹痛、消化吸収障害・・・気血虚損・気滞血瘀
5、子宮がん
患部の疼痛・排尿障害・リンパの浮腫・精神症状・・・気血虚損・湿毒残留

*中医学ケアして虚損を補う事により回復もちがってくるはずです
*癌になるとは邪が盛んになって正気は虚した状態です
癌の芽を絶えず正気は抑えています
0.1mmの癌が1cmになるのに10年から20年
1cmから10cmになるのに3~5年
だそうです
それならば正気を扶助し体内環境を整えておきたいものだと感じました

2019-10-27

『癌』を中医学で考える

10月20日に癌についての講座がありました
中医学と西洋医学の両方を使って(中西医結合という)癌治療をしておられる清水内科外科医院の清水雅行先生に『がんに対する中西医結合治療』について、中医医師で中医学講師の鄒大同先生に『体質改善と発がん予防における中成薬応用』についての講義を聴きました

がんに対する中西医結合治療

我国において癌患者が増えている一方、満足な治療がうけられない人も多くいる
西洋医学の治療はがん組織に着眼し、除去・消失を目的としている為、正常組織のダメージを与え重篤な副作用や合併症を招く事も多い

中医学の治療は身体全体をとらえ、必ずしもがんの消滅を目的としない
①扶正 正気の回復をはかり自然治癒力を増強、あるいは手術・化学療法・放射線によるダメージの回復し免疫力の回復につなげる
病因になっている邪気を除く
②祛邪
術前の中医治療
補気養血・益気健脾・滋補肝腎など「補」が中心
田七(止血活血)・・・出血量が減り輸血がいらない事も
・・・以上に対する症例(膀胱がんの膀胱鏡下摘出術)

術後の中医治療

回復を促す 「補剤中心に活血・利水・清熱解毒などの祛邪も」
健脾益気で脾胃の働きを高める
術後合併症の予防に丹参が有効

・・・以上に対する症例(膵臓癌の術前、術後の中医治療による良好な経過)

化学療法
これ自体が邪毒の面もあるので虚に対しては十分配慮し、中医治療を併用する事により正気を回復させながら行う事で逆に良好な結果が得られる
弁証論治により症状により処方する
・・・症例①乳がんで化学療法使用が副作用の為使用不可で余命宣告、中医治療により回復傾向に
・・・症例②化学療法と併用で著効した5例(乳がん術後多発性肝転移・大腸がん再発肝転移・胆管がん多発性肝転移・乳がん術後再発肺転移)
すべての症例に良好な結果がみられている

放射線治療・・・放射線により炎症性の症状を呈する事から熱毒の一面があると考え方剤を決める
(放射性皮膚炎・放射性肺炎や間質性肺炎(肺陰を補う事も必要)・放射性腸炎・出血性膀胱炎他)
以上に対する症例が2例

中西医結合による症例
①余命2ヶ月の膵がんが6年間生存
②余命半年進行性肺がんが中医治療によって完治
③余命数ヶ月末期肺がん6年経過 肺転移消失
④高齢 進行性肺がん 鎮痛剤がいらなくなった 3年経過中
⑤余命1月末期膵がん3年生存
その他
清水先生の所に来る患者さんはもう手立てがない状態で来ることがとても多いそうです。
これが当初から中医治療も加えていたら結果はもっと良い物になったのではないかと話されました。

*先日『中医オンコロジー』という本をみていました
そこに担癌という言葉が書かれていました。“癌を担う”という言葉、それは癌を消す事を考えるのでなく身体を守りながらうまく共存していくという意味だと感じました
目障りなもの・自分に害を及ぼすものがあれば全力で排除しようとしがちですが、それに持てる力全てをかたむけて力を使い果たしてしまっては何にもなりません
中医の扶正祛邪の考え方を持っておきたいものです

体質改善と発がん予防における中成薬の応用
体質には先天的に持っているものと後天的に得たものが
中医学では陰陽五行・気血津液さらに寒熱や痰湿瘀血などからみる

中医学において癌になりやすいタイプは?
気血陰陽の失調
痰・瘀血・熱毒の形成

熱毒(邪毒)形成するもの・・・タバコ・ウイルス感染・カビの生えた食べ物・産業廃棄物など化学物質
邪毒の影響を受けない為には正気を養っておく
*人の身体には癌化しない為の仕組み(癌抑制遺伝子など)がそなわっている
中医学的にはそれも正気の一つと考えられる

*私達を取り巻く環境は決して良いとはいえません
汚れた空気・添加物・細菌・ウイルス・放射能・電磁波その他色々心配しだしたらきりがないので、何も食べられなくなってしまうかもしれないし、厚いマスク無しに暮らせなくなるかもしれません
しかし幸いなことに恒常性を保とうとする力が備わっています
その適応能力も正気のおかげといえます
こういう環境に暮らしているからこそ自分の状態は何が不足しているのか?気滞・痰湿・瘀血が形成されてないか?自分をしり、未病のうちにアプローチしていく事が大切だと考えます

2019-10-06

中医眼科

9月15日成都中医薬大学附属病院の眼科の老中医(名医)の廖品正教授が先生に師事2人の教授とともに来日したので、講演を聴いてきました

廖先生の講義

西洋医学的には独立して考える『目』も身体全体(五臓六腑)と経絡で繋がってるので、五臓六腑や気血津液など全面的に考えて弁証論治を行う事で的確な治療ができます

また、視機能検査・眼前部検査・内眼検査・眼圧検査など現代医学の検査は望診を更に深く行った事になるので、より弁証に役立ちます

五輪学説からも目と臓腑の関係をみる事ができます

局部の弁証と全身の弁証を合わせて考えます。

色々な症例からみると眼瞼炎が脾胃の湿熱や肺陰虚と関係していたり、眼底出血が脾の統血不足によるものだったり、別の出血では肝腎不足と脈絡の瘀血だったりと弁証は多岐に及んでいます

症状にあわせて手術など西洋医学の治療と合わせてベストな治療をめざしておられます

明目の効能がある中薬は枸杞の実・決明子・石決明・菊花・桑葉などで石決明は退翳の働きがある為白内障など角膜の病気に使われます
石決明散という方剤があり、石決明・決明子・赤芍・麦門冬・羗活・山梔子・大黄その他の中薬で構成されています。
石決明を用いたものに睛明丹ありますが「目のかすみにいい」といってみなさん数回分お持ちになります

症例の中には視神経の萎縮の症例もあり、肝腎虚損・気虚血瘀と弁証し、滋補肝腎・益気活血通竅と論治、駐景丸を用いある程度の回復をみた症例もありましたし、外傷により視力が0.15になった27歳の男性が養血活血の方剤で0.7まで回復したという症例もありました
本当に驚きですが、滋補肝腎や養血・活血という方法により持っている治癒力が引き出せたのではないでしょうか

また、目の手術後中医薬により回復が良いとの事で各手術後の中薬使用の着眼点についての話がありました

路先生の講義 ―ドライアイの中医薬治療―

涙は津液です。水液代謝と関りのある肺・脾・腎の臓腑機能に注意するのはもちろんの事、涙は肝の液ともいわれ肝の考えに入れる重要な臓腑で

肺陰虚・・・肺の潤い不足
脾胃湿熱・・・湿と熱がともにあれば乾きべたつくイメージです。
粘ったものが涙の流れる道を塞げばドライアイになります
肝腎を損ねて、肝や腎の機能が不足したり、陰血が不足すると潤わす力不足になります。

*乾くとはどういう事か?と考えれば

①潤す力の不足
②熱で乾く
③潤す為の水や栄養を運ぶ通路の流れが悪い

などが考えられます

よく使われる中薬は

枸杞子・・・滋補肝腎・益精明目
石決明・・・平肝濳陽・益陰明目
黄精・・・補気養陰・健脾潤肺
菊花・・・清肝明目・清熱平肝・疎散風熱

李先生の講義 ―緑内障の治療における中医薬の役割―
緑内障・・・視神経の萎縮、視野欠損
治療に関する着眼点

①眼圧(薬物治療(点眼薬を含めた)・レーザー手術・中医薬、中薬)
②良好な血液循環

*眼圧を下げるのは西洋医学的治療が速やかです
 しかし低眼圧緑内障もあります
 視神経を守るには 滋補肝腎・活血通絡・利水降圧の方法をとります
                 ⇓
           杞菊地黄丸+複方丹参飲(丹参・田七・氷片)
           中薬(石決明・決明子・二至丹・霊芝・地竜など)
イスクラの睛明丹は中医学的には(清肝明目・平肝熄風・袪風通絡・滋補肝腎)

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