病気と漢方

2020-12-14

新型コロナの感染が日本中に広まり医療崩壊をおこしそうになっている地域もあります
この年末年始は家族や親しい人達と集まる事もできません

狭山台店は3月から12月までの第3木曜日は中医学講座をしていましたが、今年はできませんでした。
おそらく来年もできないと思います
そこで今回は中医学ってなに?というお話です

日本の漢方と中医学

ドラマで小石川養生所の出てくる話を見た方も多いと思います
江戸時代から続く日本の漢方は「傷寒論」や「金匱要略」という書物をもとに日本独自で発展したものだそうです
その中でも何を中心として考えるかで幾つかの派に分かれています

中医学は中国で発展した漢方の学問体系で「傷寒論」「金匱要略」はもちろんの事「黄帝内経」「神農本草経」などがあります

特に黄帝内経は陰陽五行と五臓六腑の関係・気血津液の事や六淫など環境がもたらすものなど、健康とは何か?なぜ病気になるのかなど、傷寒論など日本漢方の中心になっている書物の基礎になる理論が書かれています
しかし江戸時代に発展した日本漢方は陰陽五行など黄帝内経の基礎的理論を採用しませんでした

しかし曲直瀬道三など、その前の時代の漢方医は五臓六腑に状態を治療に反映させていて、黄帝内経の理論をふまえていた事がわかります

もう一つの特徴

日本が鎖国していたころ中国で温病学がでてきました
咽が腫れて熱っぽい時に使う『銀翹散(銀翹解毒散)』は温病にでてくる処方です
都市化がすすみ 自然の中に足を踏みいれていった時動物の持つウイルスが人にも感染するようになりました

症状は急激で炎症性が強い病気です
今までのように身体を温めて発汗して邪を追い出すというだけでは熱毒といわれる邪気に対処しきれません
身体を涼しくしながら汗を出し(辛涼解表)清熱(炎症を鎮めたり熱を冷ましたり)解毒(ウイルスや細菌など身体にとっての毒を解毒する)という方法が必要になりました

中国における新型コロナに対するアプローチも温病学が中心になっていました

私にとっての中医学

世の中には治療法の確立していない病気が沢山あります
でも中医理論があれば陰陽の平衡や五臓六腑の虚実・気血津液の虚実・内在する邪気や外邪など中医学ならではの理論や中薬を用いてあきらめずに戦い続ける事ができるとおもっています

2020-11-16

新型コロナ渦が長く続いている事で不安感を感じるようになっている方も多くいらっしゃいます

人は色々なシーンで不安を感じます
検査結果を待つ・事故のニュースをみて自分の家族は大丈夫か不安になる・子供の受験は大丈夫かとか色々・・・
思うに不安の原因は自分でどうにかできない事が多いのかもしれません
原因が解決すれば不安も解消されます 
しかし不安状態が長引くと原因が除かれてもいつまでも不安感がとれない事があります
また東日本大震災の時は震災の報道を繰り返し見る事で不安感を抱く人も多かったです
不安の感情は危険を回避する為に人に与えられた自然なものかもしれません
でも不安感だけがいつまでも残るのは困ります

中医学では気血津液の虚や五臓六腑や陰陽のバランスの崩れによると考えます
例えば思いすぎ、考えすぎ、思慮過度により心と脾が傷つくとされています
また強いストレスがかかると胆が虚し、不安感がでる事もあります

心脾両虚の不安感

色々考えすぎていると心血を消耗し、思うは脾の志なので脾も損傷します
また心と脾は相生(母子)関係にあるので心が弱ると脾も弱る結果になります

『心は神を主る』といい色々考える(思惟活動)は心の働きです
心血は心神を養う力なので、心血が不足すると心神の活動も失調し不安・眠りが悪い・動悸などの症状が出ます

又、脾は気血を生む源なので脾の働きが弱ると心血がさらに不足します
さらに脾には“気を上げる”働きもあるので、やる気がでない、疲れやすい、頭がボーっとするなどの症状がでます

コロナ渦であれこれ考えて心が疲れていませんか?
不安感の他・眠りが浅い・よく夢をみる・動悸などの症状がありませんか?
そんな時は養心安神・健脾益気(心をやしなって安らかにし、脾を健やかにして気力アップ)の心脾顆粒がよいです

胆虚の不安感

怖い事があった時「胆(肝)を冷やした」といいます
中医学で『胆は決断を主る』といいますが、どんな時でもどーんと構えて物事に動じない人は胆がしっかりしているからです
しかし、胆が弱る(胆虚)と不安感・色々な物事を決められない・疑い深いなどの症状がでます

新型コロナは感染症そのものが恐いし、罹患者に対する偏見も恐いと感じる人も多いと思います
そんな状況から胆が弱って不安感を感じるようになる人もいらっしゃいます

そんな時、(胆を冷やして弱った)胆を温めるという名前の温胆湯を飲んで見てはいかがですか?

2020-10-05

中医学の基本的な考え方に人も自然の一部(天人相応、天人合一)というのがあります。
自然界の基本な事物や事象を木・火・土・金・水の五行で考え、それぞれは相生相剋の関係でつりあっています
まるで五角形の宇宙のような感じです
さらに五行と五臓・五季・五味・五季・・・・は関連しています
例えば 五行の金と関連するのは五臓の肺・五季の秋・五味の辛・五気の燥・・のようになっています

肺は燥を嫌うといいますが、秋の気は燥なばかりでなく、炎熱の暑の気の夏の次にあるので大変です
何故なら炎熱は乾かすからです
ですから身体も肺も乾き気味になっているので尚さら肺の潤いが大切です

しかしよくしたもので秋に潤肺・潤燥の果物が沢山あります
代表選手は梨で特に梨の皮は梨皮(りひ)といって漢方薬にも使われています
梨の他、柿・いちじく・バナナ・りんご・みかんなど、また山芋・きくらげ・クレソン・くわい・春菊・ゆり根・銀杏・アーモンド・落花生・サトウキビ・メープルシロップなどです

肺は嬌臟といわれます
ひ弱な臟と言う意味です
外気とつながっている為、環境の影響(風・寒・熱・湿・燥・暑の六淫)をうけやすく、新型コロナのようなウイルスも肺から入ってくるためそう呼ばれています

まだ夏バテが抜けない人は気陰を補い心肺を補える麦味参顆粒を
よく風邪ひくまた風邪がぬけにくい人は衛気を補える衛益顆粒を
喘息やアレルギー性鼻炎も外気と関係しているので、衛気を補う衛益顆粒を
下痢や軟便ぎみの人は健脾してください
胃腸は気血を作る源といいますが、気血が作られなければ身体を維持するのに必要な物質もエネルギーもつくられません
病気の原因になる菌やウイルスを排除する免疫細胞も身体で作られているわけですから脾胃の働きは重要です
健胃顆粒・健脾散・補中医王錠・六君利気錠・フラーリンA(胃苓湯加減)・勝湿顆粒などで対処し下さい

五行の相生相剋の関係で脾と肺は脾が肺を助ける相生関係(母子関係)ともいいます
脾を助けることは肺を助ける事になります

もし風邪症状がでたら?
風邪症状がでるのは新型コロナやインフルエンザばかりではありません
ラノウイルス・アデノウイルス・これまでのコロナウイルス・・・等
急に寒くなって風邪をひく人も増える時期です
くしゃみ・鼻水・咽の痛みなどいつもなら風邪かなと思うくらいな時でも今は新型コロナじゃないかと不安だと思います
まず、いつも書いている対処法でしっかり漢方薬を使って下さい
マスク・手洗い・消毒・換気の悪い所に行かない・厚生労働省のアプリCocoaをいれて濃厚接触者になった場合通知がくるようにしておくなど万全の対策をしていれば新型コロナの可能性は極々少ないと思います
万が一そうだったとしても初期に漢方で対処しておく事は必ず身体の助けになっています

秋は肺をまもって元気にすごしましょう

 *マスクはしっかりしておきましょう
  「この人は大丈夫だろう」とか「親しいから大丈夫」とか「小さい子供だから大丈夫だろう」とかはありません
 
 *ひ弱な肺をマスクでまもって下さい

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