私達の勉強会

2017-10-11

9月勉強会の話(30周年特別講演)

『中医臨床40年から伝えるもの 中医学は人類の宝物』

                           中国中医科学院広安門病院客員教授 路京華先生
 *中医学の核になる理論 無から有に
  陰陽を見据え、天地、自然界の規則性を研究 陰陽は治療に対する根本原理
  

『陰陽者、天地之道也 万物之綱紀、変化之父母、生殺之本始、神明之府也、治病必求本」

  陰陽は天地の道なり、自然の真理であり、病を治そうとするなら陰陽の原理にそって行うというような意味です。
  古代哲学による自然界は木・火・土・金・水の五つの要素で構成され相生・相克の関係でバランスが保たれている。

 *気は万物の生成する源
  気は形はない存在するもの。存在は現れる現象によって知る事ができる。

   例えば空気は形がありませんが、高山に登って酸素が薄いと苦しくなります。
   だから空気中に私達にとって必要な物質が含まれている事がわかります。
   このように目に見えない事でも現象として存在を知る事ができます。

  陰陽 形はないが象(現象)でみる事ができる。
   陽盛則熱・・・陽が盛んなら熱という現象になる。つまり熱・火という事があれば陽
   陰盛則寒・・・陰が盛んなら寒という現象になる。つまり寒・冷という事があれば陰

 *「気」があれば即ち「象」がある「象」は皆「気」なり
  現象(象)と本質(気・臓)のなんらかの規則がある。

 *自然界の万物を五行であらわしている。
  人の身体における五臓に五行をあてはめて考察する。
  臓象 臓は物質の基礎や本質、象は体表に現れた現象と反応。

 *臓腑の命名
  中医学では生体外部に現れる生理現象を通じて臓腑の存在や機能を推測し命名したものなので、時に解剖学的名称と
  一致しない。人体の生理や病理は象から導き出された理論による。

 *証と症
  症は1つ1つの症状の事
  証は病気の部位・性質・本質・正邪関係・病理関係などの情報から導き出した結果としてある物

   例えば「鼻水がでる」というのは1つの症状なので
   「急に冷え込んできて寒いと思ったら、夕方から鼻水がでだした。」というのは風寒

 *西洋医学と中医学
      中医学                   西洋医学
  無と有の研究(気と象)          有を研究(細胞・組織・臓器など)
  同病異冶・異病同治            同病同治
  証をみる(全身の情報を統括)        各臓腑・組織の疾患としてとらえる
  自覚症状や徴候を重視           検査結果を重視
  未病先防ぐ(予防)             検査値に異常なければ、疾病と認めない
  但し 無症状の場合難しい         無症状でも検査値が示す事がある。

 *養生と治療
  中医学には『未病を治す』という予防医学の概念がある。病気を予防したり、病気がどういう風に
  変化していくかを知って先回りして治す。あるいは変化しないようにする。
  人間と自然関係を研究する医学です。

  中医学の成り立ちは象から臓を知るという事にあるという事がわかりました。
  その結果に達する為に人類は自然や人を観察しつづけてきました。
  中国4千年といいますが、現代の中医学に至るまでには同じだけ長期に及ぶ道のりがあったのだと思います。
  そういう歴史に裏づけされた理論は本当に人類の宝だと感じます。
  この理論なしに科学的エビデンスのみで漢方薬を用いれば偉大な歴史からしっぺ返しを食うような気がしてなりません。
  真摯に向き合い真摯に学んでいきたいと思います。

2017-07-30

平成29年7月17日 中医学の勉強会

『美と健康のため 中医学の智恵を活かそう』 中医学講師 張 立也先生

肌を気にする女性
 健康美人 滋陰養血填精 瑞々しさの為に
   夏の養生・・・清補 (清・・・熱を清める・補・・・気血津液を補う)
        *陽気発散・・・体内の陽気を発散する
        *益気養陰・・・気を益し陰(精血・津液)を養う
        *健脾護胃・・・脾を健やかにして胃を護る
        *冬病夏治・・・冬に悪化する病を夏の養生で治す
     生脈散(麦味参顆粒)   
       人参は主薬で、味は甘く温で 大いに元気や脾肺の気を補う
       麦門冬は主薬を補助し、肺を潤し津液を滋養し、心を清し熱を
       瀉す五味子は補助の2番手で肺気を収斂して津液を生じ、
       収め培い散じる心は上にあって脈を主(つかさど)り、
       肺は百脈を集める。心を清し肺を補えば気は充ちて脈が復活する。
       だから生脈(しょうみゃく)という。
     夏におこりやすい中医学的状態
       津液不足・・・潤い不足(脱水ぎみ)
       心肺気陰両虚・・・心肺の気陰の不足
       脾胃気陰両虚・・・脾胃の気陰の不足
       心肺腎気血精虚・・・心肺人の気血精の不足
       肝腎精血両虚・・・肝腎の精血不足
     夏の邪気に対応
       火熱邪盛・・・五涼華
       痰熱撹心・・・温胆湯
       肝胆実火・・・瀉火利湿顆粒
       暑湿犯表・湿邪困脾・・・勝湿顆粒
       傷津耗液・・・瀉火補腎丸

 健康美人 サラサラ血液 イキイキ血管
   瘀血を改善・・・活血化瘀
    ○瘀血証ガイドライン
     ①質 紫暗 舌に瘀斑・瘀点・舌下静脈怒張
     ②顔 唇・歯ぐき・目の周りが黒ずむ
     ③肌 鮫肌・毛細血管、静脈が浮き出る
     ④固定痛・刺痛・絞痛
     ⑤紫斑・タール便
     ⑥生理痛・生理不順・月経血が黒い・血塊がある
     ⑦肢体の痺れ・感覚が鈍いまたは片麻痺
     ⑧精神異常・神志異常
     ⑨臓器の腫大や腫瘍 腫塊
     血管の狭窄など循環障害
    ○対応
     循環障害・不定愁訴・・・活血化瘀
               活血化瘀+補気養血
     高脂血症・動脈硬化・・・活血化瘀+理気活血 化痰通絡
     出血壊死・血栓壊疽・・・活血化瘀+清熱化痰 通絡消癥
     *補正(補気・養血・滋陰・温陽)       
     *袪邪(清熱・化淡・祛瘀・利水)

 婦人科の要薬(当帰)
   当帰の名前にはこんなお話があるそうです。
   『昔、子供に恵まれない女性が、これを飲むと元気になり、主人が家に帰ってきたら当たった(妊娠)した』
   このように当帰は女性には欠かせない中薬です。
    中医学的働き
      活血・・・血の巡りをよくする
      補血・・・血を補う
      潤腸・・・腸を潤し、便通をよくする
      調経・・・月経を整える
    当帰のシロップ(婦宝当帰膠)
      活血・・・当帰・川芎
      補血・・・当帰・地黄・芍薬・阿膠 健康美人
      補気・・・党参・黄耆
     冷え症に対して温経散寒
      足腰の冷えには+独歩顆粒など
      冷えのぼせには+杞菊地黄丸など
     貧血の立ちくらみ、ふらつきに対して養血
      低体温なら+参茸補血丸など
      高血圧なら+杞菊地黄丸など
     生理不順に対して養血調経
      月経痛なら+冠元顆粒など活血剤を
      更年期なら二至丹や逍遥丸など
     不妊症に対しても養血調経は重要 補腎・理気・活血など体質にあわせて
    潤い不足はどこから 皮膚は層になっています。
      表面の水不足・・・津液不足
         ↓
      深い所の水不足・・・陰液不足
    艶やかなお肌の為に 
     表皮 角質層・・・皮脂膜の強化(滑らかさや艶・外界からの刺激を防ぐ)
        表皮細胞・・・保水力・皮膚の柔軟性
     真皮・・・張り・弾力
     皮下組織 毛細血管やリンパ管が通っいる・・・栄養する(皮膚を養う力)
    中医でこんなもの使われています。紅沙棘・艶麗丹・紫煌珠・亀鹿仙

 *肌は内臓の鏡といいます。
  カサカサする時は粘膜も同じように乾きやすくなっている事も多いです。
  もし粘膜の乾きが酷い時は内臓も乾いているかもしれません。
  肌荒れはローションやクリームで解決するかもしれませんが内臓の荒れは大変です。
  中医学では物質的基盤は陰に属するので、陰が虚してると考えます。
  津液の不足より陰液の不足は更に深く重くなるのはその為です。
  夏の暑さは気津の不足を引き起こし、さらに気陰の不足に発展します。
  未病先防!いつも夏バテしやすい方はご相談すださい。

2017-06-25

平成29年6月18日 中医学の勉強会

『中医腫瘍ケア講座』 (広島大学名誉教授 仲田義啓先生をお迎えし 日本橋兜町でおこなわれました)

霊芝胞子と木鶏の薬理研究・・・・・・仲田義啓先生

  薬物治療学の観点から 薬が効くとは?
   ・薬が効くあるいは効かないの判定は?
   ・低濃度での作用発揮する可能性は?
   ・医薬品を安全・効果的に使用する。
   ・何故 薬を減らせないのか?について問題提起
  木鶏丹の薬理作用の研究
   ・肝障害モデルマウス(アセトアミノフェン大量投与誘発肝炎マウス)に対する木鶏エキスの効果
   ・トランスアミナーゼ活性値について
   ・複方木鶏抽出物及びジュグロンはHepG2細胞に細胞死を誘導した。

『癌毒』対策・・・・・・・中医学講師 鄒大同先生(編著:臨床家のための中医腫瘍学)

  ・悪性腫瘍の基礎知識  現代医学と中医学の方法論の違い
  ・中医腫瘤学の病機
    1、局所の病気で無く全身の病気
    2、複雑な病因→臓腑気血機能障害→腫瘍の発生
    3、病機 正気不足+気滞、血瘀、痰凝、熱毒、湿聚→癌毒内結
  ・《正気の虚(気虚・血虚・陰虚・陽虚) ⇔ 邪聚》・・・癌毒の発生
  ・古典にみる毒
    『毒。厚也、害人之草、往々而生、従屮従毒』身体に生い茂る毒の草のようなもの
  ・中医学における毒の概念
  ・癌毒の概念
  ・癌毒の由来
    ①外感邪毒…外感邪毒を感受する事により臓腑経絡に留まり、気血運行阻滞し癌毒となる
    ②七情鬱毒…臓腑機器の鬱滞と逆乱・津液の運行停滞による痰・血の運行阻滞による瘀血→痰瘀互結→癌毒
    ③飲食醸毒…長期多量の飲酒・熱い飲食・塩漬け・燻製などの摂取により、内湿の毒と熱毒→癌毒
  ・病機と病証
    ①寒毒内結…寒毒の感受または内生→腫塊・痛・低体温
    ②風毒内擾…風毒外感…気血津液の阻滞により痰核→多発性体表腫塊
       肝風挟毒…内風+毒→脳転移など《進行性眩暈・頭痛・四肢麻痺》
    ③痰毒内結 痰→痰核(頑痰)→癌毒(時に経絡に流注すると転移性腫塊)
    ④瘀毒阻滞 気滞血瘀による硬い腫塊・激しい疼痛・繰り返す出血
    ⑤湿毒内停 腹水・胸水・体表のがんの壊死や癒合できない潰瘍などは水湿内停あるいは湿毒内停と関連する。
    ⑥熱毒熾盛 癌性発熱や感染症の合併、面赤・口渇・発汗・皮膚斑疹・出血・意識障害など熱毒の症状がみられる。
  ・癌毒の特徴 深い毒根・険しい病勢・多彩な伝変・正気を大いに損傷する
  ・陰陽属性
    ①腫塊は陰に属する
    ②初期は陰証が多い・・・邪陰
    ③病理変化は陽に属する・・・絶えず増殖・転移
    ④癌毒は邪陰邪陽の合わさったもの(体陰性陽)
  ・対応
   ①解毒
    扶正解毒…霊芝・チャガ・西洋人参等
    袪風解毒…水蛭・蟻・蠍等
    化痰解毒…健胃顆粒・温胆湯等
    化瘀解毒…丹参製剤・水蛭など
    化湿解毒…チャガ・雲芝など
    清熱解毒…白花蛇舌草・牛黄など
   ②攻毒(毒をもって毒を制す)附子・蟾酥など

星火霊芝宝とシベリア霊芝の特徴・・・・中医学講師 何暁霞先生

   星火霊芝宝・・・赤霊芝の胞子(赤霊芝1kgから1gしかとれないが作用は赤霊芝の75倍)
     破壁について
      霊芝胞子はキチンとデキストランの硬い膜に包まれているので膜を破る
      この破壁の技術は優れていて98%以上の破壁率、また均一さも保たれている。
     栽培法
      鍛木に植えつける。これは原木とは違い生えている木に植えつける方法
       10月~11月植え付け
       4月 発芽後、小さい芽を取り除く
       5月袋をかぶせる(6~7月頃胞子が放出されるのを集めるため)
     特徴
      1、最古の書物『神農本草経』で上品とされている。これは身体を養い、長寿の役に立つというもの
      2、もっとも価値のある赤霊芝胞子
      3、脂溶性成分のため細胞膜を通しやすい
      4、食欲増進
      5、心気を補い、心神を安定する。
   シベリア霊芝・・・白樺の樹皮の下で成長し樹皮をやぶって菌核をつくる。
     ロシアのマースレニコフ博士はモシクワ郊外の病院につとめたが、農民に癌がほとんどないのは
     何故かを調べ、チャガとよばれてりるキノコをお茶にして飲んでいる事がわかった。
     その後このキノコの研究がすすめられた。
     中医学では 気を益し、脾を健やかにする。肝腎を調節補う。解毒し、湿を利するといわれ、
     それを目標にすすめられている。

« 次の記事へ