中高年と病気

2019-07-08

糖尿病は尿に糖が出るからついた名前です。
尿がドロドロした感じになって甘い匂いがする病気を『消渇』といいます。
「多飲・多食・多尿・身体消痩を以て消渇、或いは尿濁、尿有甜味を特徴とする病気」
と定義されています。
糖尿病とは書かれてはいません。
症状がなにもなくても現代は血液検査によって血糖値を知ることができます。
つまり消渇よりももっと以前に糖尿病になりそうだ・・と知る事ができます。

消渇の原因は素体陰虚・飲食不節・情志失調・労欲過度
病気の進みは上消・中消・下焦のように肺・胃・腎と進んでいきます。
病気の本質は陰虚で症状に対する対応は燥熱です。
肺熱・胃熱が強い状態だと津液・陰液はさらに不足して陰虚の状態が酷くなっていきます。

津液を失わないためにもその熱を冷まして津液を補っておかないと身体が陰虚になってしまいます。

陰虚になると虚火(いらないエネルギー)が身体の機能を動かします。
血糖値の上昇にもつながると思います。

そもそも血糖はエネルギー産生に必要です。
血糖は恒常性をもって一定に保たれています。
血糖値が低くなりすぎると危険です。
脳が働けなくなって意識障害を起こし死に至ることもあります。

私達はいつでも身体に対して食物を摂取できるわけではありません。
時に忙しくて昼ご飯が食べれば買ったなどという事もあると思います。
それでも低血糖にならずにすんでいるのは食物が入ってこなくても貯蓄した分を使って血糖をつくっているからです。
これが身体のもつ恒常性です。

中医学でいう陰陽のバランスは身体の恒常性維持に大切です。
陰虚とは陰が足りない状態ですので滋陰という方法で陰を扶助しなくてはいけません。
陰虚だと虚熱が生じます。
この虚熱といういらないエネルギーが身体を不必要に動かします。例えば分泌しないで良いものを分泌させたり、神経を興奮させたり免疫機能もおかしくします。

陰陽は相対的なもので、静は陰と動は陽です。物質の関しては形があるものは陰、空気のように形のないものは陽なので、気血津液精を分けると気は陽で血津液精は陰になります。
陰虚は血津液精の不足は陰虚です。
つまり身体の形態に関わる部分が足りない、衰えという事が陰虚です。

なかなか理解しにくい部分ですが、とても大事な事だと理解しています。
糖尿病の原因の1つに素体陰虚があるので、体質的に陰虚があれば病気にならないうちに陰を補う(滋陰)すればいいのではないでしょうか?

特に先天と関係の深い腎陰を補うと良いです。
六味丸・杞菊地黄丸・八仙丸など体質改善の為、また滋養剤として使えます。

糖尿病がこわいのは血液中の糖が多い事で次に起こってくる病気、つまり合併症です。
糖尿病性腎症・糖尿病網膜症・糖尿病性神経障害・壊疽などすべて瘀血です。
糖尿病における血瘀証の研究はすすんでいます。
丹参・赤芍・川芎などの活血化瘀薬を服用すると血瘀証の予防になります。
瘀血の状態が酷い時は水蛭などの破血薬も使います。

また疲れやすい・息切れしやすいなどの気虚の症状を伴う時は単なる気虚でなく気陰両虚の場合も多く麦味参顆粒もつかえます。

消渇と関係が深いのは肺・胃・腎ですが五臓は相生相剋の関係で影響しあっていますし特に肝は『疏泄を主る』といい気のスムーズな動きと関係しているので大きく影響します。

肝はストレスと関係が深くストレスを受けるとスムーズな気の流れが滞ります。停滞は化熱を生むので壮熱とも関係します。

生理学でもストレスにより身体の血糖を上げるようにする仕組みが働く事がわかっています。
昔、狩りをするときや敵と戦う時にエネルギーが沢山必要だった事を身体が覚えているのではないでしょうか?

とにかく、身体の声を聞き体調の変化に柔軟に対処して身体のバランスをとっておくことが一番の予防だと思います。
もちろん、食養生や生活の養生をすることは欠かせません。

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シノミッテル  ホノミ漢方(剤盛堂)

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2019-06-09

40歳を超えてそろそろ心配になるのがインスリンの分泌や働きに問題がある2型糖尿病です。

40歳はそろそろ身体の衰えを感じ始める時期です。
黄帝内経の霊枢に10歳ごとの身体の変化が書かれていて40歳を頂点として衰えが見え始めると書かれているそうです。

40歳は仕事も身体も円熟している時期といえますが、同時にそろそろ成人病も気になる時期にさしかかります。

どの人も老化は避けられません。せっかくの身体は大事に使う事が老化の速度を遅くする手段です。

髪・肌・容貌・筋肉ばかりでなく内臓も老化してきます。
インスリンを分泌する膵臓もこれを受け入れて蓄えようとする力も弱くなってきます。

内臓の弱りをバックアップするには養生が大事ですが、食後の高血糖を未病ととらえてどうするかを考えます。

糖尿病に関して中医学では従来 『消渇』ととらえ病気の進みを上消・中消・下消に分類していました。
しかし2006年の中医臨床の糖尿病の特集にもそれは検査のない時代のものだとかかれています。

現代は血糖値だけでなHba1Cの値から過去2か月くらいの血糖値の上りも知ることが出来ます。

従来空腹時血糖を調べていましたが、最近食後の高血糖が糖尿病予備軍として問題視されるようになりました。

お客様でもHba1Cは高くないけど食後の血糖値が高いといわれたとおっしゃる方が結構いらっしゃいます。

未病先防で予防するに越したことはありません。
食後の高血糖はインスリンの分泌量が少なかったり・分泌する速度が遅かったりする為、血糖値が下がらず高血糖となってしまうそうです。

空腹時血糖が正常でもインスリンの分泌量が少なかったり、分泌速度が遅かったりするのは血液中のブドウ糖の処理能力は低いという事で『耐糖能異常』の状態にあるのだそうです。

糖尿病の前段階、境界型といいます。中医学的には未病です。
こういう状態からも動脈硬化を招くそうです。
西洋医学では生活習慣の改善しながら経過観察することになります。
また脂質異常や高血圧を伴うと動脈硬化になるリスクが高くなります。

近年、食後高血糖についてとりあげられているのは食後高血糖の方が空腹時高血糖より心血管系疾患のリスクが高いことがわかってきたからのようです。

中医臨床の記事に『中国では人々の生活が豊かになり、食生活が大きく変化し、糖尿病をはじめとする生活習慣病の問題が深刻化しています。』とあります。

つまり食生活が豊かになった事、飽食と糖尿病は関係が深いという事です。
それは中医学的には脾・肝の問題と言えると思います。

暴飲暴食によって傷つくのは脾胃です。

インスリンを分泌するのは膵臓ですが、膵臓は外分泌系と内分泌系の両方を有します。
膵液の膵管と胆汁の総胆管は合わさって十二指腸に注ぎます。
胆汁は間接的に脂質の消化を助け、膵液はタンパク質・脂質・炭水化物の分解に関わる酵素が含まれます。

『脾は運化を主る』といい栄養や水分の消化吸収と関係していますし、肝の疏泄機能により消化液のスムーズな分泌がなされています。

膵臓が弱ったり老化すれば外分泌にも内分泌にも同じようにあると考えられるのではないでしょうか?

中医学においては脾の運化機能を高めると同時に肝の疏泄機能もアップするようにすることが大切だと思います。

これらの機能を助けるように漢方薬や養生食品を摂ることは脂質異常にも役立ちます。

更に動脈硬化を視野に入れて考えれば活血化瘀薬も切り離せません。

食後高血糖と言われた方で、食事は注意しているのにとか・胃がもたれる・お腹がすかない・お腹が張ったり、・いつもドロドロした便だったり、下痢しやすいなどの症状がある時は未病のうちに体質に合った漢方薬を飲んで健脾してみませんか?

・食後高血糖が続き動脈硬化の傾向が出てくると瘀血です。
・中医臨床に糖尿病に対して老中医の弁証型の分類と治療法がのせてあります。

①気陰両虚型・・・益気養陰活血
②陰虚火旺型・・・滋陰降火
③燥熱入血型・・・清熱涼血、益気養陰
④陰陽俱虚型・・・温陽育陰・益気生津
⑤瘀血阻絡型・・・活血化瘀・益気養陰
以上のように複雑ですから幾つかの漢方薬や養生茶が必要になります。

■糖尿病に対し血糖は食事によって代謝しきれなかったもの(食積)と考え晶三仙のような消導薬を入れた方がよいとする意見もあります。
■糖尿病でこわいのは合併症ですが、それに対しては瘀血による部分も大きいと思います。

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2018-02-25

胸を抑える女性先週 俳優の大杉漣さんが66歳という若さで急性心不全でなくなり、世間を驚かせました。
ドラマやバラエティーなどに出られていてそんな事がおきるなんて想像できない程元気に活動されていました。

心不全は心臓の働きが低下して、全身に血液を送る事ができなくなる状態の事で、急性の場合はなんらかの原因で急激に心臓の機能が落ちた事になります。
心筋梗塞などの虚血性心疾患が最も多い原因になるそうです。

狭心症や心筋梗塞は中医学で言えば瘀血です。
しかし心不全の状況に陥っている状態は心気不足が中心となります。

瘀血を中心に考えれば循環系の瘀血に使われる漢方薬の代表は冠元顆粒や血府逐瘀湯です。瘀血の原因は様々ですが、気滞血瘀・寒凝瘀血・陰虚瘀血・血虚血瘀・気虚血瘀などありますが、やはりストレスなどの気滞血瘀はトップといえそうです。

「楽しく自由にくらしているからストレスはないです。」
「ほんとうですか?」
「ストレスを精神面だけでとらえていませんか?」
「自分の生きがいや楽しみのために自分の身体に過分なストレスをかけていませんか?」
「食べたい放題、飲みたい放題で身体にストレスをかけていませんか?」
「身体にやさしい食事や食事のとり方をしていますか?」
「早寝早起きして身体を充分に休め、リズムをつけてあげていますか?」

そう考えると自分の身体をなおざりにしていませんか?
達成感は疲労感を隠蔽するという事があるそうです。

また冬の寒い時期、特に今年は寒かったですが寒さは血を凝滞するといいます。それを寒凝血瘀と呼びます。

寒い時は注意が必要です。
まず、物理的にも身体を温める事、また温かく消化がよくエネルギーになる食べ物を摂る事が大切です。また瘀血の予防に活血化瘀の働きの漢方薬を飲んでおいたりサージや田七などで食養生したりも良いと思います。

中医診断学からみれば病気に突然はありません。必ず症状として出ていたはずです。瘀血なら痛む・しこる・黒ずむが3大症状といわれていますから、どこかに痛みや黒ずみ、あるいはしこりが出来ていたりしていたかもしれません。

年齢とともにゆっくり進行するのが慢性の心不全です。
これは貧血が原因でおきる時もあるそうです。貧血だと全身に充分な酸素を運ぼうとして心臓は働き過ぎになり心不全をひきおこすそうです。
また、血液中のたんぱく質の濃度が著しく低下すると血液中の水分が血管から漏れやすくなり肺に水が溜まったりしやすくなるそうです。

心不全の症状は手足の冷え・倦怠感・夜間尿・食欲不振・お腹が張るなどがあります。また、動機が起こりやすくなり、横になると息苦しいなどの症状もみられるそうです。

心臓の力不足は心気虚・または心陽虚です。
それに心血虚や心や肺の陰虚・また水腫の場合は水気凌心など様々な捕らえ方があります。

でも心は疲れて動けない状態ですから、心気は補っておかなければなりません。
それには心気と心陰も補える麦味参顆粒が倦怠感もとれてとても良い方剤です。
もし冷えが酷いなら真武湯などの附子剤が有効です。

心臓も身の内ですから、身体が元気になれば心臓も元気になるはずです。

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