『中医学で考える2型糖尿病』

糖尿病は尿に糖が出るからついた名前です。
尿がドロドロした感じになって甘い匂いがする病気を『消渇』といいます。
「多飲・多食・多尿・身体消痩を以て消渇、或いは尿濁、尿有甜味を特徴とする病気」
と定義されています。
糖尿病とは書かれてはいません。
症状がなにもなくても現代は血液検査によって血糖値を知ることができます。
つまり消渇よりももっと以前に糖尿病になりそうだ・・と知る事ができます。

消渇の原因は素体陰虚・飲食不節・情志失調・労欲過度
病気の進みは上消・中消・下焦のように肺・胃・腎と進んでいきます。
病気の本質は陰虚で症状に対する対応は燥熱です。
肺熱・胃熱が強い状態だと津液・陰液はさらに不足して陰虚の状態が酷くなっていきます。

津液を失わないためにもその熱を冷まして津液を補っておかないと身体が陰虚になってしまいます。

陰虚になると虚火(いらないエネルギー)が身体の機能を動かします。
血糖値の上昇にもつながると思います。

そもそも血糖はエネルギー産生に必要です。
血糖は恒常性をもって一定に保たれています。
血糖値が低くなりすぎると危険です。
脳が働けなくなって意識障害を起こし死に至ることもあります。

私達はいつでも身体に対して食物を摂取できるわけではありません。
時に忙しくて昼ご飯が食べれば買ったなどという事もあると思います。
それでも低血糖にならずにすんでいるのは食物が入ってこなくても貯蓄した分を使って血糖をつくっているからです。
これが身体のもつ恒常性です。

中医学でいう陰陽のバランスは身体の恒常性維持に大切です。
陰虚とは陰が足りない状態ですので滋陰という方法で陰を扶助しなくてはいけません。
陰虚だと虚熱が生じます。
この虚熱といういらないエネルギーが身体を不必要に動かします。例えば分泌しないで良いものを分泌させたり、神経を興奮させたり免疫機能もおかしくします。

陰陽は相対的なもので、静は陰と動は陽です。物質の関しては形があるものは陰、空気のように形のないものは陽なので、気血津液精を分けると気は陽で血津液精は陰になります。
陰虚は血津液精の不足は陰虚です。
つまり身体の形態に関わる部分が足りない、衰えという事が陰虚です。

なかなか理解しにくい部分ですが、とても大事な事だと理解しています。
糖尿病の原因の1つに素体陰虚があるので、体質的に陰虚があれば病気にならないうちに陰を補う(滋陰)すればいいのではないでしょうか?

特に先天と関係の深い腎陰を補うと良いです。
六味丸・杞菊地黄丸・八仙丸など体質改善の為、また滋養剤として使えます。

糖尿病がこわいのは血液中の糖が多い事で次に起こってくる病気、つまり合併症です。
糖尿病性腎症・糖尿病網膜症・糖尿病性神経障害・壊疽などすべて瘀血です。
糖尿病における血瘀証の研究はすすんでいます。
丹参・赤芍・川芎などの活血化瘀薬を服用すると血瘀証の予防になります。
瘀血の状態が酷い時は水蛭などの破血薬も使います。

また疲れやすい・息切れしやすいなどの気虚の症状を伴う時は単なる気虚でなく気陰両虚の場合も多く麦味参顆粒もつかえます。

消渇と関係が深いのは肺・胃・腎ですが五臓は相生相剋の関係で影響しあっていますし特に肝は『疏泄を主る』といい気のスムーズな動きと関係しているので大きく影響します。

肝はストレスと関係が深くストレスを受けるとスムーズな気の流れが滞ります。停滞は化熱を生むので壮熱とも関係します。

生理学でもストレスにより身体の血糖を上げるようにする仕組みが働く事がわかっています。
昔、狩りをするときや敵と戦う時にエネルギーが沢山必要だった事を身体が覚えているのではないでしょうか?

とにかく、身体の声を聞き体調の変化に柔軟に対処して身体のバランスをとっておくことが一番の予防だと思います。
もちろん、食養生や生活の養生をすることは欠かせません。

糖尿病の生薬製剤

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