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2018-12-02

平成30年11月18日 中医学勉強会

『食養生』                                                                      中医学講師 劉桂平先生

食養生の重要性
 ①人は食によって生命が維持されるので食養生は重要。
 ②病気の原因を考えるに食が関係することも多い。
 ③病気の原因は個々の違い・気候や時間などを考慮・地域性などを考える必要がある。
 ⇓
  日本人の体質(農耕民族だった事など)
  日本の気候風土(四季の変化・冬の乾燥・高温多湿な夏)
   → 疾病の時期を考慮

中医学で疾病は邪気によっておこると考えています。
外界から入ってくる邪気(風・寒・湿・熱・燥・暑)六淫といいます。
他に内生の邪気(瘀血・痰湿)などがあります。
正気が邪気に勝てば疾病は生じません。
例えばこの夏は猛暑でした。
夏ごろから体調を崩していれば、暑邪の性質を考慮します。
暑は炎熱ですから、炎症・興奮・紅い・腫れるその結果として乾燥、さらに陰虚になるなど・・・時に発汗や消耗による気の消耗から陽虚になる場合も
また暑は湿を絡めてくるので脾胃の損傷・胃腸炎・しつこい皮膚炎など
炎熱も結果として乾くという事がおこり、湿による下痢から潤い不足がおき、秋の気は燥であることから津液不足・陰虚傾向が更に進む事など考える必要があります。

治病求本・・・病を治そうと思うなら本質(原因)考えるという事・・・食養生
       体質改善には胃気(食欲が大切)
       健脾益胃(脾胃の働きをよくする事は食養生につながる
     *中医学の食養生は栄養学的観点でなく脾胃(胃腸)を補助する事を考える
      吸収と排泄は重要!
     *自然の摂理に従う・・・旬のものを摂り腹八分
     *中医学の考え方・・・「食治則身治」(食生活が良くなれば身体は治る)
                「安身之本、必資於食」

中医学は西洋医学のように深く部分を診る医学ではありません。
全体観といい身体全体をみるばかりでなく気候など環境因子も含めて全体を考え、人が備えている恒常性を維持しようとする力、治癒力を回復させようとするものです。
人の身体は生まれつき与えられた成長すると力(先天の精)飲食物の摂り込みによって滋養され、エネルギーもできる(後天の精)と呼吸による清気のとりこみによって維持されています。
だから、身体に必要な飲食物を必要なだけ必要な形で摂取する事、それを摂り込む機能である脾胃が健全である事は治癒力と深い関係があるという事です。

昔から言われる病気と食事の関係
  脂っこいものを摂る、美食しすぎるとおできなどの出来物ができる
  食べ過ぎは胃腸を損傷する
  飲食の不摂生は百病に通じる
中医学による良い飲食とは
  淡味・・薄味
  節食・・節度ある食事
  腸をきれいに!「欲得長生、腸中常清」
ひかえた方が良い食べ物
  甘いもの(チョコレート・ケーキなど)
  脂っこいものや脂の多い肉(天ぷら・とんかつなど)
  辛いもの
  洋食・加工食品
  高たんぱくのものの摂りすぎ
  生ものや冷たい物
  コーヒー・アルコール
  タバコ
養生生活
  心を穏やかにし、和食中心で腹八分
  季節の野菜に火を通してたっぷり食べる
  バランス良くたべる
  適度な運動(適度に汗をだす)
  朝日や木漏れ日などやさしい日光をあびる
  生活リズムをまもる(食事・睡眠)
  白湯・緑茶・紅茶を飲む
脾胃をまもる漢方薬・・・衛益顆粒・健胃顆粒・健脾散・心脾顆粒他 
脾胃をまもる漢方食品・・・晶三仙・五行草茶・シベリア霊芝
腹八分の目安
 1、胃の膨張感がない。苦しくない。
 2、身体が重くならない
 3、食後眠くならない。

食養生
  胃気保護
  原因の除去・・・漢方薬や漢方食品の効きがよくなる
  体質改善・・・食養生と漢方で改善
 *情報の多くあれもこれもとなりがちです。
  自分にあった方法を知ることが大事。

*病気は邪気によると書きましたが、内生の邪気は瘀血・痰湿です。
これらはほとんど生活や飲食の不摂生からできるといっても過言でありません。
飲食物から得られ水穀の清微から気血精がつくられますが、作る能力以上に食してしまっては痰湿・瘀血を作っているようなものです。
瘀血は万病の素といいます。
養生生活で身体をいらわりましょう。

2018-11-04

平成30年10月21日 中医学勉強会

『問診のすすめ~婦人病~』                                                              中医学講師 邱紅梅先生

著書:問診のすすめ・わかる中医学入

5月に引き続き先生の著書『問診のすすめ』の現代医学を用いた問診の項より婦人病について講義していただきました。

不孕(不妊症の中医学用語で不育を含む)着床力 

①内膜の厚さと質をどうみるか?

 内膜は厚みと柔らかさがあるほうが着床しやすい。

 経血量は内膜の厚さとも関係している。

女性の生理機能を血の道といいます。
血の濡養作用は月経・妊娠・出産などにおいて重要です。
卵子も濡養作用によって成長します。
しかし血は気の推動力によって働く事ができるので気血という言い方をします。
“血とは脈管内の赤い液体であり、主に水穀の精微から化生されてできる”
となっています。
ですから月経が少ない事は血の不足(血虚)とみます。
『肝は血を蔵す』『心は血脈を主る』肝血虚・心血虚が関係します。
また肝腎同源・精血同源といい、『腎は生殖を主る』ので関係します。

 内膜が薄いのは 肝血虚・心血虚・腎精不足・腎陽虚・気血両虚などの可能性があります。

血虚・腎精不足は材料不足ととらえ、腎陽虚は転化するエネルギー不足と考えます。
また気血不足は脾の血をつくる力の不足により血の不足となります。

②内膜の硬さをどう考えるか?

中学的見方・・・瘀血が関係する
子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣嚢腫・子宮腺筋症・卵管・子宮腔の癒着など
・月経痛が酷い・血塊
・排卵痛・性交痛・排便痛
・経血量は過多
瘀血は原因から色々なタイプがあるが気滞血瘀・寒凝血瘀が多いと感じています。
気滞血瘀はストレスと関係していますが、特にストレスは無いと言う人でも、几帳面だったりすると、そうでない状態が気になっていたり、また面倒見のいいひとやよく気が付く人なども気を使いすぎている場合の気滞血瘀もよくみられます。
寒凝血瘀も多く、薄着やよく冷たいものや生ものを摂るなどによる血瘀もよく見られます。せめて月経中は冷やさないようにして冷たい物は避けるようにしましょう。

③内膜の感受性

内膜の厚みは15mm以上あって、グレードの高い受精卵を胚移植しても着床しない場合は着床力の低い状態といわれるが、邱先生の経験則からいってほとんどが瘀血だそうです。
なるほどという感じです。どんなに気血が充実していても、腎精が充足していても運ぶルートが閉塞していては何にもなりません。
瘀血は万病のもとといいますが、全くだと感じます。

2017-07-30

平成29年7月17日 中医学の勉強会

『美と健康のため 中医学の智恵を活かそう』 中医学講師 張 立也先生

肌を気にする女性
 健康美人 滋陰養血填精 瑞々しさの為に
   夏の養生・・・清補 (清・・・熱を清める・補・・・気血津液を補う)
        *陽気発散・・・体内の陽気を発散する
        *益気養陰・・・気を益し陰(精血・津液)を養う
        *健脾護胃・・・脾を健やかにして胃を護る
        *冬病夏治・・・冬に悪化する病を夏の養生で治す
     生脈散(麦味参顆粒)   
       人参は主薬で、味は甘く温で 大いに元気や脾肺の気を補う
       麦門冬は主薬を補助し、肺を潤し津液を滋養し、心を清し熱を
       瀉す五味子は補助の2番手で肺気を収斂して津液を生じ、
       収め培い散じる心は上にあって脈を主(つかさど)り、
       肺は百脈を集める。心を清し肺を補えば気は充ちて脈が復活する。
       だから生脈(しょうみゃく)という。
     夏におこりやすい中医学的状態
       津液不足・・・潤い不足(脱水ぎみ)
       心肺気陰両虚・・・心肺の気陰の不足
       脾胃気陰両虚・・・脾胃の気陰の不足
       心肺腎気血精虚・・・心肺人の気血精の不足
       肝腎精血両虚・・・肝腎の精血不足
     夏の邪気に対応
       火熱邪盛・・・五涼華
       痰熱撹心・・・温胆湯
       肝胆実火・・・瀉火利湿顆粒
       暑湿犯表・湿邪困脾・・・勝湿顆粒
       傷津耗液・・・瀉火補腎丸

 健康美人 サラサラ血液 イキイキ血管
   瘀血を改善・・・活血化瘀
    ○瘀血証ガイドライン
     ①質 紫暗 舌に瘀斑・瘀点・舌下静脈怒張
     ②顔 唇・歯ぐき・目の周りが黒ずむ
     ③肌 鮫肌・毛細血管、静脈が浮き出る
     ④固定痛・刺痛・絞痛
     ⑤紫斑・タール便
     ⑥生理痛・生理不順・月経血が黒い・血塊がある
     ⑦肢体の痺れ・感覚が鈍いまたは片麻痺
     ⑧精神異常・神志異常
     ⑨臓器の腫大や腫瘍 腫塊
     血管の狭窄など循環障害
    ○対応
     循環障害・不定愁訴・・・活血化瘀
               活血化瘀+補気養血
     高脂血症・動脈硬化・・・活血化瘀+理気活血 化痰通絡
     出血壊死・血栓壊疽・・・活血化瘀+清熱化痰 通絡消癥
     *補正(補気・養血・滋陰・温陽)       
     *袪邪(清熱・化淡・祛瘀・利水)

 婦人科の要薬(当帰)
   当帰の名前にはこんなお話があるそうです。
   『昔、子供に恵まれない女性が、これを飲むと元気になり、主人が家に帰ってきたら当たった(妊娠)した』
   このように当帰は女性には欠かせない中薬です。
    中医学的働き
      活血・・・血の巡りをよくする
      補血・・・血を補う
      潤腸・・・腸を潤し、便通をよくする
      調経・・・月経を整える
    当帰のシロップ(婦宝当帰膠)
      活血・・・当帰・川芎
      補血・・・当帰・地黄・芍薬・阿膠 健康美人
      補気・・・党参・黄耆
     冷え症に対して温経散寒
      足腰の冷えには+独歩顆粒など
      冷えのぼせには+杞菊地黄丸など
     貧血の立ちくらみ、ふらつきに対して養血
      低体温なら+参茸補血丸など
      高血圧なら+杞菊地黄丸など
     生理不順に対して養血調経
      月経痛なら+冠元顆粒など活血剤を
      更年期なら二至丹や逍遥丸など
     不妊症に対しても養血調経は重要 補腎・理気・活血など体質にあわせて
    潤い不足はどこから 皮膚は層になっています。
      表面の水不足・・・津液不足
         ↓
      深い所の水不足・・・陰液不足
    艶やかなお肌の為に 
     表皮 角質層・・・皮脂膜の強化(滑らかさや艶・外界からの刺激を防ぐ)
        表皮細胞・・・保水力・皮膚の柔軟性
     真皮・・・張り・弾力
     皮下組織 毛細血管やリンパ管が通っいる・・・栄養する(皮膚を養う力)
    中医でこんなもの使われています。紅沙棘・艶麗丹・紫煌珠・亀鹿仙

 *肌は内臓の鏡といいます。
  カサカサする時は粘膜も同じように乾きやすくなっている事も多いです。
  もし粘膜の乾きが酷い時は内臓も乾いているかもしれません。
  肌荒れはローションやクリームで解決するかもしれませんが内臓の荒れは大変です。
  中医学では物質的基盤は陰に属するので、陰が虚してると考えます。
  津液の不足より陰液の不足は更に深く重くなるのはその為です。
  夏の暑さは気津の不足を引き起こし、さらに気陰の不足に発展します。
  未病先防!いつも夏バテしやすい方はご相談すださい。

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