六味地黄丸と八味地黄丸

腎は精を蔵し、生長・発育・生殖を主る
骨を主り、髄を生じ、髄海に通じる

生れて成長していく力は腎にあります
その力は老化とも関わっています
陰陽は相対的なもので自然界のも人にもありますが、人の陰陽の元のような真陰・真陽は腎にあります

六味地黄丸

六味地黄丸は補剤の熟地黄・山薬・山茱萸と瀉剤の沢瀉・茯苓・牡丹皮で構成されています
腎陰の不足により虚火のある状態に使います
例えば腰や膝がたよりなく怠い・頭のふらつき・めまい感・耳鳴り・聴力減退・寝汗の他 手のひら足のうらのほてり・歯のぐらつき・頻尿など尿の異常などです
また、小児の発育不足にも使います

三補
熟地黄は腎陰を補い・精を充足し・髄を補い主薬です
山茱萸は肝腎を補い精は漏れをおさえます
山薬は腎を滋養し、脾を補い精の漏れをおさえます
三瀉
沢瀉は尿の出し湿濁を除き内熱を尿からだします
茯苓は脾を健やかにして湿を除き山薬の働きを助けます
牡丹皮は内熱や肝火をさまします

杞菊地黄丸
六味地黄丸に目に良い枸杞子と菊花を加えた物です
枸杞子(クコの実)は肝腎を補い明目といい視力減退や風を受けて涙が出るなどに使います
他に潤肺の働きもあります
菊花も明目の他、肝陽が上昇や、肝風が揺らす為のふらつきやめまいにも対応できます
八仙丸
六味丸に潤肺の麦門冬と肺気を収斂する五味子を加えたもので肺と腎が弱くなっている時に使います
腎は納気を主るといい吸気が弱く陰虚傾向の人に良いです
瀉火補腎丸
六味丸に虚熱を制する知母と腎の火が燃えすぎているのを抑える黄柏が加えられています
腎陰虚による虚火が強くなる過ぎている状態、陰虚火旺が顕著の状態に使います

八味地黄丸

六味丸に附子と桂皮が加わる用途は違ってきます
これは腎陽虚の漢方薬です
冷えによる下腹部のひきつり、下半身の冷えや浮腫み、尿は透明で尿量が多い場合も多いですが逆に排尿困難の場合もあります
附子は腎陽を温めて補います
桂枝は陽気を通じさせる働きです
これらが腎陽を鼓舞します

牛車腎気丸は八味地黄丸に牛膝と車前子が加わります
腎陽虚による下半身の浮腫みにつかいます
車前子は利尿の働きがあり牛膝は補腎の他 薬力を下の方に向かわせる働きもあります

*六味地黄丸を基本に色々な漢方薬がある事がわかります