全蠍

嫌われ者も漢方

サソリ・ミミズ等嫌われ者も古代からの沢山の経験則により性味・帰経・働きなどが中薬学に記されている中薬の1つです
平肝熄風薬に分類されています
聞きなれない言葉だと思いますが、中薬学に『肝経に入って内風を平熄し肝陽を平定する薬物を平肝熄風薬という』とかいてあります
『平肝熄風薬には清肝・潜陽・鎮痙などの効能があり、高熱による意識障害・痙攣・ひきつり・後弓反張・肝陽偏亢・肝風上旋による眩暈・頭痛・顔面紅潮、はなはだしいと肝風内動による・・・・・・・。なお、虫類の薬物には通絡の効能があり、風湿痺の疼痛・しびれに応用できる』(中薬学より)

ミミズは日本でも昔から熱さましとして使われてきました
地竜という名で総合感冒薬に配合されている事もあります
子供の頃熱を出すと地竜を煎じて飲ませてもらっていました
節模様のある平たい紐みたいな感じでミミズとは知りませんでした
中薬学をみると①清熱熄風・定驚 ②精肺平喘 ③行経通絡 ④利水通淋となっています
③の行経通絡ですが経絡を行かせ通じさせるという事です
経絡という言葉は馴染みのない人も多いと思いますが、簡単に言うと人体の内と外・上と下など全身をくまなく網羅している気血を運行の通路です
不通則痛・・・通じなければ則ち痛みになるという意味ですから通じれば痛みがとれるという事になります

蠍(サソリ)の処方用名は全蠍(ぜんかつ)
①熄風止痙②活絡止痛③攻毒散結と書いてあります
毒のあるサソリですが中医学には「毒を以て毒を制す」という言葉があります
清朝末期の頃の名医 張錫純の医学折衷参西録に全蠍を使った話が出ている
顎下に時毒により生じた堅い腫脹に壁の上にいた全蠍7匹を焙って焦がし末にして黄酒で服用させ3日で腫脹が消えたとかいてあります
昔の事ではありますが、その場で手に入れて調理し治療した事に驚くと伴にこういった療法が人の暮らしの中にあったのだと感じます

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