令和元年9月勉強会 眼科の講演

中医眼科

9月15日成都中医薬大学附属病院の眼科の老中医(名医)の廖品正教授が先生に師事2人の教授とともに来日したので、講演を聴いてきました

廖先生の講義

西洋医学的には独立して考える『目』も身体全体(五臓六腑)と経絡で繋がってるので、五臓六腑や気血津液など全面的に考えて弁証論治を行う事で的確な治療ができます

また、視機能検査・眼前部検査・内眼検査・眼圧検査など現代医学の検査は望診を更に深く行った事になるので、より弁証に役立ちます

五輪学説からも目と臓腑の関係をみる事ができます

局部の弁証と全身の弁証を合わせて考えます。

色々な症例からみると眼瞼炎が脾胃の湿熱や肺陰虚と関係していたり、眼底出血が脾の統血不足によるものだったり、別の出血では肝腎不足と脈絡の瘀血だったりと弁証は多岐に及んでいます

症状にあわせて手術など西洋医学の治療と合わせてベストな治療をめざしておられます

明目の効能がある中薬は枸杞の実・決明子・石決明・菊花・桑葉などで石決明は退翳の働きがある為白内障など角膜の病気に使われます
石決明散という方剤があり、石決明・決明子・赤芍・麦門冬・羗活・山梔子・大黄その他の中薬で構成されています。
石決明を用いたものに睛明丹ありますが「目のかすみにいい」といってみなさん数回分お持ちになります

症例の中には視神経の萎縮の症例もあり、肝腎虚損・気虚血瘀と弁証し、滋補肝腎・益気活血通竅と論治、駐景丸を用いある程度の回復をみた症例もありましたし、外傷により視力が0.15になった27歳の男性が養血活血の方剤で0.7まで回復したという症例もありました
本当に驚きですが、滋補肝腎や養血・活血という方法により持っている治癒力が引き出せたのではないでしょうか

また、目の手術後中医薬により回復が良いとの事で各手術後の中薬使用の着眼点についての話がありました

路先生の講義 ―ドライアイの中医薬治療―

涙は津液です。水液代謝と関りのある肺・脾・腎の臓腑機能に注意するのはもちろんの事、涙は肝の液ともいわれ肝の考えに入れる重要な臓腑で

肺陰虚・・・肺の潤い不足
脾胃湿熱・・・湿と熱がともにあれば乾きべたつくイメージです。
粘ったものが涙の流れる道を塞げばドライアイになります
肝腎を損ねて、肝や腎の機能が不足したり、陰血が不足すると潤わす力不足になります。

*乾くとはどういう事か?と考えれば

①潤す力の不足
②熱で乾く
③潤す為の水や栄養を運ぶ通路の流れが悪い

などが考えられます

よく使われる中薬は

枸杞子・・・滋補肝腎・益精明目
石決明・・・平肝濳陽・益陰明目
黄精・・・補気養陰・健脾潤肺
菊花・・・清肝明目・清熱平肝・疎散風熱

李先生の講義 ―緑内障の治療における中医薬の役割―
緑内障・・・視神経の萎縮、視野欠損
治療に関する着眼点

①眼圧(薬物治療(点眼薬を含めた)・レーザー手術・中医薬、中薬)
②良好な血液循環

*眼圧を下げるのは西洋医学的治療が速やかです
 しかし低眼圧緑内障もあります
 視神経を守るには 滋補肝腎・活血通絡・利水降圧の方法をとります
                 ⇓
           杞菊地黄丸+複方丹参飲(丹参・田七・氷片)
           中薬(石決明・決明子・二至丹・霊芝・地竜など)
イスクラの睛明丹は中医学的には(清肝明目・平肝熄風・袪風通絡・滋補肝腎)