平成29年5月 勉強会

平成29年5月21日 中医学の勉強会

『中医学舌診・脈診における臨床応用』 上海中医大学日本校教授 高橋楊子先生(中医舌診・証の診方・治し方など著書多数)

舌の説明
 舌診 舌は健康のバロメーター「内臓の鏡」と称されるように舌によってもたらされる
    情報が沢山あり、弁証論治にはかかせない手段です。『望而知之謂之神』
  1、舌と臓腑・機体の関係
   舌診の舌は経絡を通じて臓腑や機体と繋がっている。
   特に心・脾・胃との関係は深く、舌は「心の苗」、口は「脾胃の外候」といいます。
  2、舌診の臨床意義 正気の盛衰・病位(深浅)・病邪の性質・病状の進退など多くを
   知る事が出来る。
  3、舌診の注意事項 飲食物の影響・生まれつきの形状を考慮し必ず四診合算して判断する。
  4、舌を診る
     舌の色 正常舌は淡紅色
         血虚や陽虚・気血両虚・水湿が多いなど白っぽい
         熱(火)があれば紅くなる。重症になると絳舌(深紅に近い色)更に紅絳舌になる。
         紫・暗は瘀血
         青は寒凝
     形   大きさ・厚み・湿り気・歯型がついてるか・しみや点々など・柔らかさ
         真っ直ぐ出せない・震えがあるなど
     舌神  正気の有る無し・予後の良し悪し

    舌苔を診る
     厚さ(病邪
     湿り気
     膩舌(ベタベタし)
     腐苔(ベタベタしていてこそぐと取れる)
     剥落(所々苔がない)
     無苔(鏡面舌)
      
 脈診 脈は遅数・強弱・形状などを見る。
    疾病の性質・病位・邪気と正気の状態などを知る事が出来る。
    手首の脈(寸口)3本の指先で見る。手に近い方から順に寸・関・尺という。
    それぞれ臓腑を表している。
       左 寸…心      肺…寸 右
         関…肝 (胆) (胃) 脾…関
         尺…腎   (命門)腎…尺
   脈診の意義 『脈は血の府』素問
     脈は血との関係が深いが血は気を滋養し、気は血を生じ、巡らせるというように血は気との
     関係も深い。
     また心は「血脈を主る」・「神を主る」
       肝は「蔵血を主る」・「疏泄を主る」
       肺は「一身の気を主る」「肺朝百脈」
      体内の気血津液・臓腑の異常は経絡を通じ体表の脈証に現れる。

   気候・年齢・性別など脈に影響をあたえる要因になる。
     乳幼児…やや数
     青年…滑脈になりやすい。(気血が充実している為)
     老人…弦脈・弦硬脈(年齢が進むと血管も老化してくる為)
     女性で痩せている人…やや細
     妊婦…滑脈
     男女 男性は寸強尺弱 女性は尺強寸弱の事が多い
     肥満者…沈脈傾向 痩せている人…浮脈傾向
     気候 春…やや弦 夏…やや洪 秋…やや浮 冬…やや沈
     精神面・情緒面の影響…弦または弦数
     食後はやや数・やや滑
     空腹時は緩脈
     大量の飲酒は洪・滑

   平脈(健康な脈)8つの特徴
     脈の位置 中取で一番ふれる
     脈の長さ 寸・関・尺すべてふれる
     脈の速さ 1分間に70~80 80代はやや数 90以上は数 それ以下は緩
     脈に強さがある・脈に一定の太さがある・リズムが規則正しいある
     尺脈は沈取るしても力があり触れる(腎気の充実を表す)

  舌は健康のバロメーターですから、ご自身で鏡を見ながらパネルと比較して頂いてご自身の
  状態はどうなっているのか見て、舌を見る習慣をつけていただきたいと考えています。
  脈はとても重要なものですが、血行動態パラメーターで緩脈・数脈・細い・弱い・太いなど
  推測する事ができます。
  特に数脈の場合は陽気が多い・熱・火などと考えます・
  その熱は虚熱の場合も多く見られますし、肝火や心火の時もあります。
  いずれにしろ四診合算して総合的にみる必要があります。