清熱解毒の魅力

パンダ⑧ 清熱解毒薬が体に対してどう作用しているのか薬理作用がわかっているわけではないのだと思います。でも そのわからない所も魅力といえるのではないでしょうか?炎症反応には細菌やウイルスなどがかかわっている事もあれば アレルギー反応がかかわってる事もあるし自己免疫がかかわってる事もあります。

 それぞれの状態に応じて古来使ってきた清熱解毒薬があり一定の成果をあげているという事実があります。科学的な解明がなくても明らかな事っていろいろあります。梅雨の頃になると食べ物が腐りやすくなったりカビも生えやすくなったり・・・という事も科学的に証明されようとされまいと事実です。夏に日が長くなって冬に短くなるというのも証明がなくても事実です。この事実の積み重ねによって漢方の理論はできています。

 細菌に抗生物質というのが現代医学です。抗生物質ができて乳幼児の死亡率も大幅に下がりました。公衆衛生がよくなった事もあるでしょうが・・・でも今多剤耐性菌のように抗生物質が効かない菌が出てきています。抗生物質の使いすぎともいわれています。また自己免疫の暴走に対しては免疫抑制剤やステロイドなどを使用しますが、他方では副作用の問題もあります。身体を害する毒に対する対抗力(これは造語ですが・・・)を増す事が出来るのが清熱解毒という方法だと思っています。

 清熱解毒のうち解毒な何に対しての解毒なのかはそれぞれ違っています。最近 鳥インフルエンザの流行のため 中国で板藍根が品切れになっているという事がニュースや新聞に載っていたそうなので、板藍根ってなに?と思った方もいらっしゃると思います。板藍根は普済消毒飲という方剤に使われていある植物です。中薬学の中に板藍根はうん疫(インフルエンザ・日本脳炎)・大頭うん(顔面丹毒)・ささい(流行性耳下腺炎)の高熱や腫脹・疼痛に配合される事が書かれています。こういう事から中医学では板藍根をウイルス性の疾患に対しての解毒に用いる事が多く、また予防的にも広く使われています。

 中薬学の中に清熱解毒薬についてこう書いてあります。清火熱・消腫毒の効能をもち、火熱よう盛による発赤・腫脹・疼痛・熱感などの癰瘍腫毒を呈する熱毒・火毒にしようする。意味がなんとなくわかるような わからないような感じではないでしょうか?清火熱は火や熱を冷ますという意味です。消炎ともとれるし 解熱ともとれます。どっちもありの感じです。消腫毒は文字通り腫や毒を消す または腫れさせている毒を消す・・・ととることができます。

 すごいですよね。2つの事を1つがやってのけるという事をいってるわけです。毒を菌とかんがえるなら抗生物質と消炎剤をあわせて使うような事を1つの中薬がするという事です。考えるに自然界にはそういう働きを持つものは案外あると思います。何かから何かを守ろうと思うなら必要なのかもしれません。

 清熱解毒は中医のなかでよく出てくる言葉です。例えば金銀花は天津感冒片の中にはいっていますが、中薬学では清熱解毒とかかれています。普段解毒という言葉を使う事は少ないですが、風邪の時も、皮膚炎の時も 何か身体に炎症をもついような時に必要なのが、解毒という方法です。

 身体に悪い影響をもたらすものは 身体にとって毒です。特に 病原菌やウイルスなどは毒といえます。また自己免疫性疾患において攻撃相手を間違えている自己免疫は毒といえます。これらに対し 解毒が必要です。清熱解毒の清熱はどういう意味でしょう?熱を清すとは熱を冷ますという事で 日ごろ私たちも良く使う熱です。歯が腫れて熱を持ってるとか、爪の周りが紅くなって熱もってるとか・・・発熱以外にも炎症に対して熱という言葉を使います。