パンダ① 秋といって何を思いますか?十五夜・実りの秋・紅葉・読書・もの悲しいくなる?いえいえ食欲の秋ですか?中医学で秋は肺の季です。また秋は乾燥してくる季節でもあります。ここのところ秋雨の時期になっていますが・・・実りの秋。十五夜にはススキをかざり、おだんごと一緒に栗やさつまいもや梨・りんご・ぶどう・みかんなど盛り沢山にしてお月見しました。秋は収穫の季節であるとともに、草木はかれて冬の眠りにつく準備をはじめます。枯れ木になる前に葉は色づいて華やかな最後を演出します。自然界は生気にみちた時を終えて、閉蔵の季節にむかっていきます。この秋の気は人の陽気を収斂させます。収は肺金の五化です。肺気を養って冬に備えましょう。

 肺気を養うって?

 肺は「一身の気を主る」「呼吸の気を主る」といいます。肺は気を生成に関係していています。宗気は呼吸・心臓の駆血力と血脈を動かす力・見たり聞いたり動いたりといった身体を動かす力ですが、これは肺呼吸で吸収された清気と脾で生成された精微物質とでつくられます。この重要な働きをしている肺はばい菌や異物が大気から侵入し易いので、嬌臓といわれています。直接大気と接する為に、衛気(バリア機能)が重要です。

 また秋の気候は燥なので、肺も肺燥の状態になりやすく、特に血虚タイプや陰虚タイプの人は今頃からしっかり補血や滋陰していくことが大切です。衛気の不足には衛益顆粒を使いますが、この季節は「燥」を考慮した方が良いと思います。八仙丸・麦味参顆粒・潤肺糖漿・麦門冬湯などを症状に合わせて加えるといいと思います。また、胖大海をお茶にしてのまれるのもいいと思います。

 秋の事を書いているのに秋らしい気候になってこないですね。雨ばっかり・・・しかも今日は今年一番の降水量になるとかで各地の災害も気になります。この梅雨のような気候によって湿邪が停滞して身体が重だるい・頭重・吐き気・軟便や下痢・関節や筋肉の痛みなどの症状が出ている方も多いです。湿は粘膩でしつこいので症状がでたら早めに処理しましょう。温かく消化の良いものを腹八分にたべて痰湿をためないことが脾が働き易い環境をつくってあげる事につながります。脾は肺と相生関係にあります。脾が母なら肺は子供です。この時期食事に気をつけながら、燥湿・化湿・健脾・化痰・理気などの漢方薬を適宜とりいれて健脾補肺しながら本格的な秋に備えましょう。

 春は肝・夏は心・夏の終わりから秋口にかけて脾・(実際は各季節の終わり頃は脾)・秋は肺・冬は腎というように五臓と季節の関りを考えにいれて健康に役立てましょう。肺を補い、喘息・アレルギー性鼻炎・COPDなど肺の状態がよくない人は症状を抑えるだけでなく積極的に肺気・肺陰を補っておきましょう。脾の弱い人は五臓の関係から脾虚の為肺が弱くなっているので、健脾することは重要です。肺は腎と相生関係ですので、来る冬に腎の病気にならないよう補肺しましょう。未病を治しましょう。