養生の話

2011-11-01

 漢方も温・散寒などと伴に、補血益精(陰を補う)を心がけます。陽気は代謝する力ですが、エネルギーを燃やすには原料が必要だからです。寒を散じるばかりではエネルギー源を補う事ができません。もし、火がくすぶってうまく燃えない時はどうするでしょう?もし 火がくすぶっていて燃えにくいなら可燃剤を加える事もあるしでしょう。でも燃えるつきて足りなければ薪をくべます。どちらも必要です。陽に対し陰は必要です。陰陽は根は同じです。陰があり、陽があります。漢方を使う時の考え方も同じです。冬は陽気を補い、しっかり陰(血や精)も補いましょう。

 今、はやりの生姜も身体を温めます。ただ 少し前に生姜をとりあげましたが、陽気を守ると言う意味では乾姜といって干した生姜が適します。生のしょうがは散寒解表といって発汗して寒邪に対抗し陽気を保護します。でも発汗という意味では内なる力を消耗する場合もあります。

ですから
生姜は走(ゆ)きて 守らず
乾姜はよく走(ゆ)き よく守るといい
炮姜は守りて 走(ゆ)かずといいます。
炮姜(ほうきょう)は乾姜を炮じて炭化させたものの事です。

 ですから冬に陽気を守るには是非干した生姜を使ってください。生姜を干してアルコールと砂糖でつけるか、はちみつにつけるかしてお湯をそそいで飲むとあたたまり

冬は寒い!・・・それって当たり前? 寒い!冷える! 寒いは陽気を消耗します。寒い時、身は体温を保とうと働いてくれています。熱エネルギーを産生してくれています。寒い中で凍死してしまうのは消耗がすすんで それ以上体温を保てなくなってしまうからです。漢方の陽気はこの熱エネルギーだったり、新陳代謝力だったり、身体の機能を保つエネルギーの事です。

 ですから陽気の有る無しは生命にかかわります。冬は陽気を守る事が第一です。陽気を守る事が消耗を防ぐ事で、元気でいられる秘訣です。

 冬は温かくしておく事・・・当たり前のようで大事なことです。お腹や足もとも温かくしておきましょう。
 温かく栄養価の高い物を食べる事・・・でも食べ過ぎてはいけません。食べ過ぎて脾胃を傷つけたなら気血が作り出せないからです。つまり陽気もつくりだせません。

 沢山汗をかくような運動は避け、汗をかいたら速やかに着替えましょう。

 黄帝内経の冬の養生に以下のように書かれています。

去寒就温、無泄皮膚

 寒さを避け温かくしてすごす、皮膚の閉じている毛穴をひらいてむやみに汗をかくような事をし、体内に貯えられている陽気を消耗してはならない。・・・という意味

2011-03-01

パンダ⑤ もうすぐ 春。でも 暦の上では2月4日が立春でした。その頃はまだまだ寒かったけど、日差しはつよくなって来ていて 木々の芽が硬く膨らみはじめました。漢方で春は五行の木(もく)の季です。また五臓では肝です。五臓の色体表を持っている方は見てくださいね。

 冬に閉ざされた世界が春にはむくむくと起きだして華やかな季節を迎える準備を着々としています。陽気が外に少しづつ出て行こうとしています。陽気のエネルギーが木の芽を押し出し、枝をのばし、花の蕾を膨らせます。6日は啓蟄です。土の中に潜んでいた虫達も陽気を育てながらとうとう外界に顔を出し始めます。

 人の体の陽気も動きだしています。肝は木です。木々が自由に枝を伸ばすように、私達も陽気を発散させましょう。春の息吹を楽しみ、身体や心を楽に自由にしましょう。

 肝の疏泄機能を西洋医学に当てはめて考えてみましょう。どういった部分と身体の動きが関係しているでしょう?たとえば胃腸の蠕動運動は自律神経によって調節されています。それだけでなく目・唾液腺・気管支・心臓・血管その他多くの臓器が自律神経の調節をうけています。この自律神経の調節の働きは肝の疏泄機能と考える事ができます。また 生殖器系のホルモンの分泌なども疏泄の働きに考えられます。なにしろ身体の中のエネルギー的な部分は気の働きで、気の流れの調節は肝がやってるわけです。

 しかし 肝の疏泄=自律神経ではありません。肝の疏泄の方がもっと大きくとらえています。また気持ちの『気』とのつながりも重要視しています。陽気を上手に発散できないと鬱滞してしまします。気鬱になります。昔から精神的に問題がでるのが「木の芽時」といわれています。

 体内の伸びようとする陽気は押さえつけてはいけません。心と身体を自然と1つにして 春の生長を楽しみましょう。気は気持ちでもあるし エネルギーでもあります。この気の流れが鬱滞すると心にも身体にも影響がでます。

 ■肝は疏泄を主る・・・これは気の流れのコントロールつまり気持ちと身体を動かす力の調節機能という意味です。

 ■春はのんびりのびのび・・・うまくいかない時は逍遥丸、開気丸、抑肝眩悸散や気上散など疎肝や理気の漢方の助けをかりて調整しておきましょう。

2009-08-01

 私たちの身体には注意信号や危険信号のようなものが備わっています。そのセンサーはにぶってしまっても、過敏でもうまくいきません。例えば疲れたというのも注意信号のです。

疲れ→休息→回復

 これは自然なパターンです。ぜんぜん疲れない→無休(でも肉体的ストレスはかかっている)→つづくと身体に変調がおきる(眠れないなど・・・)逆になんにもしてないのに いつも疲れを感じる→休息→回復しない

「疲れ知らずの人は丈夫なんじゃないの?」
「センサーは大事なのよ。神経がたって 疲れに気がつかないって事もあるでしょ。」
「中医学的には肝や心が実してる状態かもしれないよ。」

 何度も書いていますが、中医学では心と身体の結びつきを重視しています。ですから身体の反応(信号は)心を表す時も多くも見受けられます。心(こころ)は心や肝を考える場合が多く、ストレスや感情的な事は肝・悩事や考えすぎなどは心でとらえるようです。しかし、どちらかを切り離す事はできませんし、他の臓腑との関わりもとらえなければいけません。

 このストレスや感情の中心となる肝は将軍といわれています。ストレスにより肝が実する(病的な状態になる)と他の臓腑を攻撃します。これを肝気横逆といいます。神経症の転換性障害はストレスが身体のいろいろな部分にでます。これも肝気横逆の状態です。

舌診アトラス 中医学では身体の信号として舌の状態をみます。(舌診)これは 誰でも見れる事です。快眠・快食・快便とかいいますが、これらは重要な信号です。それに加え、全身症状・尿の状態をチェック また 鏡で顔色や舌を見るようにしましょう。健康状態によって舌が違っているのに気が付くと思います。お店に舌診アトラスと鏡がありますので参考にして下さい。

 『三つ子の魂百まで』といいますが、特に幼い子供の心と身体の信号は大人が見てあげなければいけません。腎は先天、脾は後天といいます。発育が弱いのは腎が弱い場合も、脾が弱い場合もあります。体質的な弱さがあれば身体作りをしなくてはなりません。その際、脾腎を考え養生する事がいいと思います。

 また、幼い時期の心の発達はとてもとても重要です。潜在意識は記憶の倉庫だそうです。神経症など、この無意識の世界にも重要なキーポイントがあります。幼い子は五臓は未熟で五志も未熟です。大人が思いもかけない事に恐怖や不安を感じたりします。子育てはからだとこころの両方を大事に育てる事が大切です。

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