平成30年3月 勉強会

平成30年3月18日 中医学勉強会

『活血補腎で抗老防衰』~漢方で認知症を予防しましょう!~ 中医学講師 劉文昭

劉先生は循環器がご専門で、以前は心電図の見方なども入れて循環器の病気の講義をしていただいています。今回は脳血管と関係する認知症についてお話し頂きました。

認知症は日本の社会問題
今後認知症患者が増える傾向にある
内閣府のHPより
認知症患者数の推計
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/gaiyou/s1_2_3.html
2012年には7人に1人から2025年には5人に1人という可能性が示されている。
*認知症の分類
①血管障害性
②変性性認知症・・アルツハイマー型認知症
③脳血管障害を伴うアルツハイマー型認知症
*症状
中核症・・・記憶障害・認知機能障害
周辺症状・・・幻覚・妄想・抑うつ・不安な等 問題行動
*画像診断について(脳溝が広くなる・脳回が狭くなる・脳室拡大)
*脳血管系認知症(動脈硬化・血栓など)・・・瘀血

中医学による弁証論治
高齢に伴う腎精虚衰 (腎陰虚または腎陽虚)
(腎精は生長・発育・生殖などの生命活動に不可欠なもので、髄を生じ髄海(脳)に通じる為の根幹をなすもの)
気血両虚(気血が足りず養われない)
痰濁内阻・瘀血阻滞(気血の流れが悪く養われない)

●痰濁内阻害に対応するもの
温胆湯・・・清熱化痰の品ですが、この中の薬味である黄連・半夏は中医において(製半夏は眼圧と脳内圧に黄連は脳内溏代謝に関係するとされ)多用されているそうです。
●瘀血阻滞に対応するもの
冠元顆粒(近年薬理研究もされています。)もともと冠心病(狭心症)の漢方薬としてつくられた冠心Ⅱ号方をもとに日本で考案された処方ですから循環系の瘀血に対応できると考えられます。
●気血両虚に対応するもの
心脾顆粒・・・気血両虚で臓腑としては心脾両虚の時です。心は思考する脳の働きも心と考えられています。眠れない・くよくよ考える・物忘れなど心の弱りの現象です。
当帰芍薬散・・・補血・健脾利水の薬味で構成されています。
●腎精虚衰
腎精不足ですから精血を充分補う必要があるので力のあるものを使います。
鹿茸は益精血の働きが充分あるものの1つです。とても力のある中薬です。これが入ったものに参茸補血丸・参馬補腎丸などがあります。
特に参茸補血丸は15年くらい前にマウスの記憶障害の改善実験がおこなわれています。
当時活血化瘀の冠元顆粒と参茸補血丸の使用で良い結果が得られていたのを記憶しています。
そのほか陰精を補うものとしては亀鹿仙が亀鹿二仙膠という方剤をもとに作った漢方食品で、すっぽんも加わって更に良いものになっています。

その他の漢方食品
・艶麗丹…老化防止にもなるし、艶があって麗しくいられるという名前がついた艶麗丹(えんれいたん)はなんと蛙の卵管が使われています。1年の半分は氷に閉ざされた場所の林の中にいる蛙で長い冬眠から目覚め繁殖能力が高まった状態の時をつかめて食べるそうです。その卵管は美肌効果もあるそうです。
・くるみ…胡桃は脳とそっくりな形をしていますが、脳に良い食べ物です。
・香ロぜア…紅景天と同じ植物でシベリアでとれたものです。紅景天はチベットで使われている中薬で健脳益智・扶正固本・理気養血などの働きがあるとされています。
ロシアではうつ状態の改善に使われているそうです。

お気に入り
香ロゼアは私の好きなハーブティーです。
毎朝、コーヒーや紅茶に入れて飲んでいます。そのまま飲んでもローズの香りでおいしく頂けます。
健脳の働きとは脳の調整と思っています。
眠気覚ましにはなりません。逆に飲んだあと眠くなる時もありますが、脳が休んだほうが良いとおもってるんだなって考えています。でも仮眠した後はすっきりです。
例えばカフェインの入ったお茶は中薬学によれば堤神醒睡とかかれています。つまり心の神(思惟活動)を上向きにして覚醒する、つまり眠気覚ましになるという事です。
扶正固本(免疫力を上げて身体の本質をしっかりさせる)できて、脳にも良くて美味しい!最高です。