猛暑

パンダ⑧ 猛暑になっています。晴天が続いて36度とか、37度とか・・・ところでトルファンという所は45度とか46度とか言っていました。先週、ウルルン滞在記はシルクロードのトルファンでした。ガイドさんが「そこはイスラムの人達で、礼儀を重んじていますので礼儀正しくしてください」といいました。長老が出迎え、皆を紹介し「ここではスイカとメロンを沢山食べなければいけない」といいました。俳優の井坂俊哉さんはお腹いっぱいで苦しくなるほど食べさせられました。

 スイカは天生の白虎湯と呼ばれている食べ物です。解暑除煩・止渇利小便・・・暑さで体内にこもった熱を外に出し、熱の為に脱水ぎみになる身体を潤わせ喉の渇きをいやし、暑さによる煩躁感を除いて、尿をだす。・・・と言う意味です。メロンもまた同じ働きがあるとともに胃腸機能を高めてくれます。水の貴重なトルファンですが水代わりにスイカやメロンを沢山とることによって、習慣的に身体を暑邪から守っていました。

 昨日は40度に!今日も 晴れ 気温上昇中!またトルファンの話です。一家の100歳のおばあさんに「暑くて大変ですね」というと「自然な事だからね」というような返事がかえってきました。過酷な自然を当然の事として受け入れていました。大体の人は昼間は暑いのでゴロゴロして寝て過ごすそうです。外界の陽気が強すぎる時に体内の陰気を消耗しないようにしているといえます。これもまた自然の智恵です。

 陰気を消耗するということは物質的消耗と陽気を抑制する力を失い、代謝・体温など身体の過亢進の状況から引き戻れないという事です。これはとても恐い状況です。ここ数日のような状況の時は本来、日中の冷房のない所でのスポーツや労働は避ける方がいいのです。でもそうはいかない事もあると思います。では未病先防で補気・生津・補陰の物を使うべきです。麦味参顆粒・西洋人参・白虎加人参湯などスポーツドリンク に溶かしてのむのも良い方法です。

 夏の養生の中に使志無怒(怒ってはいけないという事)があります。テレビでみたトルファンの人々は過酷な暑さの中、にこにこして穏かな感じでした。怒は『肝の志』で陽気を伴って上逆します。「陽気が多い時に大怒すると倒れてしまう」と書いてあります。この穏かさが長生きの秘訣でもあると思います。

 今週は極暑とトルファンの事を書いていますが、ウルルンでとりあげていたのはそう言うアプローチではありません。トルファンの人々は古くからテンサン山脈の雪解け水の流れる地下水路を補修しながら守っています。俳優の井坂俊哉さんは深い井戸の中に入り補修をお手伝いしました。中はすごくヒンヤリしているそうです。

 今年は猛暑を通り越して酷暑と言う感じです。心は五行の火です。心火が強くなりすぎると相克関係にある肺がやられます。そうすると秋に肺系の病になります。そうすると冬に風寒や風熱の邪気に犯されます。その為には養生!!漢方で未病先防です。